両親を思うと頭を抱えてしまう40代無職

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都会の風景

先日、所用のために都心に出かけた。

都会には本当に色々な人がいる。

私服の人やスーツ姿の人が忙しそうに道を歩いているかと思えば、大通りから少し外れた物陰にはホームレスが寝転がっている。

そのなかに一組の親子連れがいた。

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無職な私の楽しい思い出

子供はまだ大学を卒業したばかりくらいの年齢で、顔にはまだ少しあどけなさが残る。

両親は田舎から上京してきたと思われ、大きなバッグを抱えている。子供はその両親のガイド役として観光案内をしているようだ。

家族水入らずの旅行と見えて、とても楽しそうだ。

無職の私にも似たような思い出がある。

大学院を修了した私は東京で就職し、仕事が少し落ち着いたところで両親を東京観光に誘ってみた。

両親はもちろん二つ返事で上京してきた。

まず、銀座の歩行者天国や浅草などを一通り観光した後、予約した有名レストランで夕食をとった。

もちろん支払いは私だ。
決して安くはなかったが、自分自身、それがとても誇らしかった。

そのときの両親は、私がいっぱしの社会人になったと嬉しそうだった。

あのころと比べると父も母も年を取った。
本来なら悠々自適な生活を送っていてもいい年だ。

しかし、40歳を過ぎた息子は結婚しているにもかかわらず、無職になってしまっている。

両親にプレゼントを贈ったり、孫の顔を見せるなどの親孝行をしていて当然なのだが、それができない。

そんな自分自身に苛立ちを感じる。

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今の自分

モチベーションの高い日と低い日が交互にやって来る。

モチベーションの低い日は決まって、両親を東京旅行に誘ったあの日を思い出す。

父が電話で話すには、母は最近、溜息をつくことが多くなったそうだ。
その原因は間違いなく私だ。

不安を感じさせていることを申し訳なく思っている。

何とか再起を図ろうと頑張ってはいるものの、全くうまくいっていない。

もちろん、母にはこんなことは言えない。
ただでさえ私を心配してふさぎ込んでいるのに、これ以上心労を増やしたくない。

この状況が今後も続くようであれば、アルバイトへの応募を検討しなければいけない。

しかし、今の私がすんなりとアルバイトに採用されるとは考えにくい。
人手不足が叫ばれている業界に目を向けないといけないのかもしれない。

そうなると、その世界でどっぷりと浸かってしまうことが怖い。
まだもう少しだけ、元の世界に戻れるためにあがきたいのだ。

母の誕生日が近づいてきた。

実家で暮らす両親を想いながらも、自分の将来が相変わらず不安定なことに頭を抱えてしまう。

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