先輩、仕事辞めるってよ【転職回顧録-営業マン編8/19】

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ここまでのおさらいと今回のお話

広い担当エリアに放り込まれ、途方に暮れる毎日。

支給された交通費はどんどん目減りしていくし、それに見合った成果も出ていない。

かといって、訪問件数を稼げているわけでもない。

客観的にみると、どう見ても私はダメ営業マンだ。

さらには成績が振るわないことを社長や上司から指摘され、悩み続ける40代元無職。

そんな中、先輩から衝撃的な事実を伝えられる。

私はこの先、こんな状態で仕事を続けていけるのか?

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先輩に告げられたこととは…

その日、仕事が終わって会社を出ようとした私に先輩がこっそりと声を掛けてきた。

『軽く飲みに行きませんか?』

珍しいこともあるもんだなと思ったが、あまりない機会なので喜んで一緒に行くことにした。

安居酒屋に場所をうつして、お互いビールを飲みながら世間話に花を咲かせた後、意を決したように彼は口を開き、衝撃の一言を告げる

『実は、会社を辞めることにしたんです。』

私自身もこれまでに数回、会社を辞めてきたが、こうして自分以外の人が会社を辞める話を聞くのはかなり驚く。

それにしても、彼は比較的成績もよかったはずだ。
その彼がなぜ会社を辞めるのかが分からなかったので、率直に聞いてみることにした。


するとその答えは驚きの内容だった。

『実は、成績が振るわなかったからなんです』

私に比べれば成績はよかったはずだが、それでも彼にとっては満足のいくものではなかったらしい。

それに加えて、周囲からのプレッシャーも結構きつかったようだ。

つまり、現状と理想のギャップに悩み、意識の高さとプレッシャーに耐えきれなかったことが、退職理由ということらしい。

また、他の社員たちと会話しているうちに分かったことだが、新卒や中途関係なく、1年ともたない人のほうが多かった。

どうやらこの会社は人の入れ替わりが早い生粋の営業会社のようだった。

入社前は分からなかった…

決して残業が多いわけではなく、一見するとブラックという感じには見えない。

しかし、旧態依然とした決まり事や意味不明なルールが非常に多いうえに、常に成績を求められる。

営業という仕事はそういうものなのかもしれないが、我々社員は消耗品としてみられている気がした。

私が抱き始めていたモヤモヤ感は自分の我慢が足りないわけではなく、他の人も同様だったのだ。

妙に納得してしまったが、下っ端の私では今の状況をどうすることもできない。
ここでやっていくしかないのだ。

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誰が先輩を引継ぐのか?

あと気になるのは、誰が先輩のお客を引継ぎかということだ。
結論から言うと、私だ。

引継ぎは資料などを手元に置きながら2~3週間くらいかけて行われるかと思っていたが考えが甘かった。

わずか3日で引継ぎを行い、先輩はすぐに退職するという予定になっていたのだ。

なんということだ…

その翌日からさっそく、先輩が担当していた客先巡りが始まった。

おそらく40件は回ったと思う。

訪問先の会社に到着して先方の担当者を呼び出し、退職のあいさつと新任である私の名刺を渡すことを繰り返した。

すると相手からはこんな言葉が返ってきた。

『担当さんがまた変わるんですね』

実は過去、この先輩も私と同じように、前任者の突然の退職に伴って短期間で引継ぎをしていたのだ。

会社の体質は昔からずっと変わっていないことがよくわかった。

私としては、担当がコロコロと変わることは恥ずかしいことだと思っている。先方のお客さんも担当者の変更が頻繁にあることに戸惑うだろう。

平身低頭して謝罪しながら色々なお客さん先を回ってきた。

そして引継ぎ最終日。

クタクタになりながらもなんとか予定件数をすべてまわり終え、帰社後は書類上で引継ぎを行った。

それらが終わると時計は21時を回っていた。
正直言うと、たった3日では何も引き継ぐことはできない。

このような雑な引継ぎもこの会社の特徴だった。
もう少し長めに引き継いでもらいたいことを上司に伝えたが、これはあえなく却下された。

もう決まったことなので予定を変えることはできないそうだ。

また、引継ぎで増えた顧客に対して、これまでと同様の手厚いフォローができるのかどうか、非常に厳しいところだ。

データを分析して効率よく外回りをしていかなければならない。
今後のことを考えると頭が痛くなってきた。

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◆ 転職回顧録-営業マン編9/19へ続く

仕事へのモチベーションが著しく低下した私。さらにそれに追い打ちをかける事態が判明した。

先輩社員が次々と辞めていく理由。【転職回顧録-営業マン編9/19】
別の女性の先輩もまた退職するという話を聞かされた。これでもう二人目の退職者だ。いったいなぜ?
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