元無職は地獄の出張から帰還した【転職回顧録-管理職編8/15】

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ここまでのおさらいと今回のお話

疲労困憊して出張から帰ってきた。

再就職して間もない時期は疲れを感じやすくなるのは仕方ない。よくあることだ。
しかし、今回の場合は絶対にそれが原因ではない。

絶対に今の職場環境(主に人間関係)がよくないせいだ。もうだめかもしれない。

この会社で働き続けることができるかどうか、この頃から疑問に思い始めていた。

暗く長いトンネルにいた無職中年が再就職を果たした手前、家の中ではそんなそぶりは一切見せていなかったが、悩む私を見かねて妻が声を掛けてきた。

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40代元無職は疲労困憊して出張から帰ってきた

肉体的にももちろん疲れてはいたが、精神的な疲労がそれをはるかに上回っていた。

重いキャリーケースを引きずりながらなんとか自宅の最寄り駅までたどり着くと、妻が車で迎えに来てくれていた。

少し前まではうだつの上がらない40代無職だった私。それが今は管理職となり、見違えるようになって出張から帰ってきたので、彼女の表情は明るい。

こんなに喜んでくれているのに、今の仕事がうまくいっていないなんて、とても言い出せなかった。

Image by Gerd Altmann on Pixabay

帰宅後、すぐに下着などに洗濯機物を入れて風呂に入り、ベッドに潜り込んだ。

しかし、出張先での色々な出来事がグルグルと頭をめぐり、なかなか寝付けなかった。

体はこんなにも疲れているのに不思議なものだ。

翌日は土曜でお休みだった。

何をするでもなくリビングのソファーに横になり、色々なことを考えていた。

本来なら、気晴らしに都心にでも出かけるのだが、この時はとてもそんな気にはなれなかった。

『これからもずっと、こんな精神的ストレスにさらされ続けなければいけないのか…』

『ここで弱音を吐くことは逃げではないか?』

『辞めたところで他に行くところはない』

『でも、耐え続けたら鬱になるかもしれない』

『仕事に行くのがたまらなく嫌だ』

こんな考えが頭を堂々巡りしていた。

浮かない土日

もちろん考えがまとまるはずもなく、気持ちは落ち込む一方だった。

しかし容赦なく時間は流れ、月曜を迎えた。いわゆるブラックマンデーというやつだ。

これからまた一週間、憂鬱な仕事が始まる。

この時の私は、通勤電車の中で次のようなことをずっと考えていた。

『私は精神的にもろいのだろうか』

『嫌なことがあれば逃げ出してしまうような人間なのだろうか』

『みんなつらい思いをしながら会社勤めをしているのに、お前はなんだ』

Image by jwvein on Pixabay

こんなことを考えてばかりいると、無意識のうちに表情が暗くなってきてしまうものらしい。

ある時妻にこんなことを言われた。

『最近、口数も少ないし、表情が少なくなってない?』

家では自分の精神状態をなるべく隠しているつもりだったが、見抜かれていたようだ。まったくダメな夫だ。

そして火曜日、水曜日、木曜日、金曜日。

理不尽ともいえる罵声や怒声を浴びせられながら仕事を進める。

そして、月に数回出社してくる社長を玄関まで出迎えるたびに小言や罵声を人前で浴びせられ、『すいません』と頭を下げる。

無職の時はサラリーマンとして働くことにあれだけ思い焦がれていたのに、それが今やこんな結果になってしまった。

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私が思い描いていた姿

怒られることがたまらなく嫌というつもりはないが、こんな状態が続けばもうどうでもよくなってくる。

もう自分が何のために仕事をしているのか分からなくなってきた。

相手の顔を張り倒したくなる衝動に駆られるときもあった。

『年相応の責任ある仕事に就いて、ごく普通に生活する。』

私はただ、それだけを目標に再就職を頑張ってきたのだが、それさえどうでもよくなってくる。

むしろ、こんな地獄から早く抜け出したいという思いの方が強くなり、毎日、胃が痛くなるような日々を送っていた。

そんなある日、仕事が終わって会社を出ようとしたとき、部下から声を掛けられた。

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◆ 転職回顧録-管理職編9/16へ続く

憂鬱な毎日をおくる私。そんななか、部下から驚きの告白を受けることになる。

部下から退職の相談を受ける。原因は人間関係のもつれらしい。【転職回顧録-管理職編9/15】
「人目につかないところで相談したいのですが..」と部下から相談を受けた。どうしたのか聞いてみるとと、「会社を辞めたいんです。」
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