その後の汚部屋(おへや)
やっとゴミ撤去が終わり、以前とは見違えるくらいになった。
ここまで来るのに一か月かかった。
途中で嫌になりかけたが、なんとかたどり着いた気がする。
ここまでの部屋を見たのは生まれて初めてだったが、これもいい経験だ。
見たくてもなかなか見れないものではないかもしれない。ただ、不思議なことに虫などは一切沸いていなかった。
今でもその点だけは不思議だ。
部屋の様子を一部公開
さて、タイトルにもあるように、初めてここに来た時の部屋の様子を一部公開したい。
当初は足の踏み場がないくらい色々なものが散乱していた。
それは一部の部屋だけでなく、入り口から全ての部屋に及ぶまで隅々まで散らかっていた。
時折、ニュースで特集されるゴミ部屋が私の目の前にまさに広がっていた。この状態ではもはや靴のままで上がらざるを得ないくらいの状態。
一番ひどい時の状況はこんな感じ↓
それが現在はこんな感じ↓
とはいっても、これで一段落ではない。
画像ではかなりきれいに見える。
しかし、実際はまだとても人が住める状況ではない。
そのため私は、週3~4回の頻度で汚部屋に通って一人で作業している。
部屋にはニオイがこもっているので空気の入れ替えをしないといけないし、複数のクリーニング業者による見積もりの立会い、前住人である誠二さん(ゴミ部屋を再生させる40代無職中年男を参照)が乗っていた自転車の撤去、マンションの管理人さんとの話し合いなど、やることがたくさんあるからだ。
だいぶやるべきことが見えてきたが、残りの作業の開始にはあと1~2か月ほどかかるような気がする。
ところで、当ブログをご覧の方の中には、私と同じように汚部屋のクリーニングを考えている人がいるかもしれない。
そんな方のために今回の作業にかかった費用を大公開!
※ちなみに、この部屋の間取りは3LDKで床面積は80㎡、状況としてゴミが一面に散乱し、強めのシミなどが付着している場合の金額です。
結論から言うと、計125万円くらいかかりそう。おそらく、どこに頼んでもこれくらいの費用になるのではないだろうか。
以下はその内訳。
◆ゴミ撤去→約80万円
◆部屋のクリーニングのパック料金見積もり(フローリング+カーペット、トイレ、和室、窓、エアコン4台、キッチン、レンジフード、浴室、洗面所、窓、バルコニー、冷蔵庫)→約30万円
◆蛇口とビルトインガスコンロの取り換え見積もり→約15万円
ゴミ撤去費用が全体の約6割を占めており、最も割合が高い。
ただ、あれだけ大量のものを処分するのは素人では不可能なので、プロに任せるしか方法がない。
また、部屋のクリーニングのカタログには、パック料金として大体10~15万円の金額が記載されている事が多い。
しかし、見積もりをとった結果、どの業者でもその料金内に収まることはなかった。
安い料金をわざと記載しているわけではないと思う。
汚部屋の場合は、オプション料金を加算して特別な処理を施さないと対応できない汚れが多いから、ということのようだ。
それにしても、部屋のオーナが資産家であり、費用は先方持ちだったので、この金額でも部屋をキレイにすることができたのは幸いだった。
もしこれを自分で捻出しなければいけないとすると、果たしてどうなっていただろう。
冷や汗が出る思いだ。それだけに汚部屋は罪深い…
ちょっと気付いたこと
この部屋に出入りしているうちに気付いたことがある。
それは賃貸マンションより分譲マンションの方が近隣の部屋の人との交流が密にあるということだ。
例えばこんなことがあった。
私がマンションの1階にある自販機でジュースを買うためエレベータを待っていると、隣の部屋に住んでいる方とたまたま一緒になった。
こういう場合、賃貸マンションだと会話を交わすことはまずないが、この分譲マンションでは違った。
誠二さんの部屋がとんでもないことになっていることは近隣の人たちにも知れ渡っており、隣の部屋に住んでいるこの方は、特に気にかけていたようだ。
どうやら、その部屋を片付けている私を誠二さんの親族と勘違いしているようで、「その後、彼は大丈夫なんですか?」と心配してしきりに私に話し掛けてきた。
一応、事情を話すと「手伝えることがあったら言ってくださいね」とまで言ってくれ、とてもありがたかった。
遠い親戚より近くの他人とはこういうことを言うのかなと思った。
今後の予定
手元にある見積もりを比較して、ガスコンロと蛇口の交換や部屋のクリーニング業者選定を行い、部屋のオーナーから承諾を得ることになる。
そうなれば作業が一気に進み、少なくとも人が住めるくらいにはなりそうだ。そこでやっと私本来の仕事を始められることになる。
でもまだ、肝心のインターネットが通じていない…役所への手続きも済ませないといけない…
やらないといけないことがことが次から次へ増えていっている気がする。
「果たして、この部屋に住むと決めた私の選択は正解だったのだろうか…」
そんな愚痴がこぼれてきそうだが、この作業に携わっていて、救われていることが2つある。
それは、業者との色々な調整や部屋のオーナーさんへの報告をしていると、自分が仕事をしている感覚になれること。
この話が来る前は、「どうやって仕事を進めていこうか?」「本当に一人で仕事ができるのか?そもそも事業として成り立つのか?」と不安になることが多かった。
そんなネガティブな気持ちを一時でも忘れることができるのは唯一の救いかもしれない。
また、こんな高級マンションに格安で住めるのは、それに見合う仕事をしたからだと胸を張ることもできる。
何事も前向きにとらえていきたい。
◆真・転職回顧録-ゴミ部屋編 9/12へ続く
次回:汚部屋(おへや)の謎の残留物たちを紹介※画像あり