無職にかかってきた一本の電話

夕方、自宅でブログを書いていると電話がかかってきた。
母からだった。
正直、実家からの電話には出たくない。
仲が悪いというのではなく、大体が私を心配してかけてくることが多いからだ。出ないわけにはいかない。
重い気持ちで通話ボタンを押すと、母からの第一声は「元気でやっているか?」
「元気だよ」と返事をしたものの、その後の言葉が見つからない。
再就職活動を頑張っていた時は、「~に応募したら手応えがあった」とか「このまえ面接に行ってきた」など、両親を多少は安心させる話ができた。
しかし今の私は、会社に属さずに個人で仕事を見つけて生きていこうとしている最中だ。
しかも、仕事の目途が立たず、全くうまくいっていないし、収入もない状態。
そんな実情を話すと余計に心配をかけるだけだ。
結局、電話をかけてきたのは別件の内容だったが、それでもやはり終始、不肖の息子を心配していた。
方針転換
そんなこともあり、あまり実家とは電話したくなかった。
自分勝手なのは重々承知している。
ただ、「このままではいけない」、「何とかしなければ」という思いが日増しに大きくなってきている。
そんな折、転職エージェントから連絡があったのを機に、私はにわかに再就職を考え始めた。
試しにダメ元でエージェント経由で求人に応募してみた。
結果は案の定、書類選考すら通ることなく門前払いだったが、再就職を視野に入れ始めたのは、私の中で大きな変化だ。
そこでふと思い立ってハローワークに行ってみた。
はたして、久しぶりのハローワークにはどんな求人が転がっているのだろうか?
色々な人たち
私の自宅は隣り合うA市とB市の境にある。
そのため、それぞれの市を管轄する二箇所のハローワークが近所にある。どちらも自転車で10分くらいの距離だ。
無職にとっては好立地だ。
これまでよく利用していたのはA市のほうなので、本来ならそちらに行けばよいのだが、そこには顔見知りの職員さんもいる。
一年くらいでまたこのハローワークに舞い戻ってきたと思われるのはちょっと辛い。
そこで、昨日はもうひとつのB市のハローワークに行ってみた。

ここはA市に比べるとややこじんまりしているが、求職者で込み合っていた。
また、規模が小さいので、検索機の順番待ちをしていると、窓口で相談している人の話し声が聞こえてくる。
盗み聞きするつもりはなくてもその話が自然と耳に入ってくるような状態だ。
その内容はとても生々しいものだった。
「~で5年ほど働いているが、きついので今すぐにでも辞めたい。」
「今の倍くらいは給料が欲しい」
「週三日くらいで働きたい。」
大体はこんな感じの相談だった。
なかには驚くくらいめちゃくちゃな人もいた。
「今はまだアルバイトだが、管理職職候補として雇ってくれるところはないか?」
「面接場所に行くまでが大変なので、選考を辞退したい。」
「朝、起きられないので、面接時間を夕方にしてほしい」
これまで何度もハローワークを利用して、その求人の質の低さは分かっているが、応募する人の質が低いのもまた事実。
転職と退職を繰り返している私も、採用側すればそんな人たちとあまり変わりはないのだろう。
いざ、検索。どんな求人があるのか?
やがて私の順番が回ってきた。
隣に座っているのは、50代半ばとみられる男性だった。
頭髪が薄く、そのおかげで悲壮感を余計に増している。
私も頭頂部が若干薄くなってきている。
冴えないおっさん二人が横並びで仕事を探すしている姿は、見るに堪えないものだろう。
まるで、この世の負のオーラを煮詰めたよう空間がそこにある。

この光景をぜひ、就職活動している学生や新社会人に見てもらいたい。
就職活動やキャリア形成をしっかりしておかないと、将来こうなってしまうといういい教材になるはずだ。
慣れた手つきでタッチパネルを操作し、希望条件を入力する。
すると検索結果は何千件もヒットする。
しかし、これで喜んではいけない。
よく見ると、同じ会社が異なる職種で何件も求人を出しているし、一年前も前から求人を出し続けているようなものがほとんだった。
そんなところは人材の回転率が速く、そこから内定が出たとしてもどうせすぐに辞めてしまうのがオチだ。
一時間ほどしらみつぶしに探してみたが、結局いいものは見つからなかった。
まあこんなものだろう。
さて、これからどうするか。
また、仕事を探してみるか…悩みは尽きない。
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