水回りの汚れ
洗面所で手を洗っていると、ふと浴室に目がいった。壁や床が黒カビで汚れている。
普段はあまり気にはならなかったが、こうして全体を見回すと、あまり衛生的な状況ではない。
幸いにも買い置きのカビクリーナーがあるし、ブラシもある。そこで、キレイに浴室を掃除してみることにした。
きっと妻も喜んでくれるはず。
換気扇を回しながら、カビクリーナーを散布して待つこと30分。
そこから1時間ほどかけてブラシでゴシゴシ擦ると見違えるようにキレイになった。これで明日からお風呂タイムを快適に過ごせそうだ。
無職にとって水場の掃除はいい気分転換になるのかもしれない。
気分の良くなった私が次にしたこと
さて、掃除もひと段落。次にやったことは催促のメールだ。そう、音沙汰のない最終面接の結果のことだ。
かれこれもう、二週間と少しばかり経過しようとしている。さすがにヤキモキを通り越してイライラしていた。
転職は人生の一大イベントなのに、何の連絡もよこさないまま放置されたままだ。軽く見られていると感じていた。
本心を言えば、ちょと苦情めいた内容にしたかったが、そこは分別のある大人として控えておくことにした。
それに、相手の心証を害してもこちらが不利になるばかり。こんな時に強く出られないのは求職者のつらいところだ。
ただ、当初伝えられた期限はとうに過ぎているのだから、合否の確認くらいはしてもいいはず。むしろ、志望度をアピールするためにも、何らかのアクションを起こさないほうがおかしい。
ということで、やんわりと穏やかに採用担当者へ確認メールを送ってみた。
Re:〇日△日の最終面接の結果について
その2時間後、返信が来た!
タイトルは『 Re:〇日△日の最終面接の結果について 』なので、ここから合否を読み取ることはできない。
ドキドキしながら本文を読んでみると、大体、こんなことが書いてあった。
『役員会が開催できていないため、もう少々お待ちください』
要は、重役が多忙なのでもう少し待ってね、ということらしい。
そうした事情はもちろん理解できるが、それならそうと一言くらい連絡してくれればいいのに。
こっちは、もうずっと最終面接結果を待ってるんですけど!
「報・連・相」の重要性を説いている割には、それができていない。ある程度大きな会社なんだから、応募者への対応はしっかりしてほしいものだ。
この会社のHPには「お客様第一主義」とのモットーが謳われているが、その反面、「応募者後回し主義」なのかと思ってしまう。
ある会社とその社長の思い出
その後、気持ちを落ち着けるためにソファーに座ってお茶を飲んでいると、昔応募した会社のことを思い出した。
それは数年前の転職活動での出来事。珍しく書類選考に通過した私は、意気揚々と面接に向かった。
案内された部屋に面接官として現れたのは社長だ。いきなりの社長面接。
しかし会社説明といったものは特になく、自分の仕事観を熱く語ってくれた。
この時点で既にモチベーションが著しくダウンしていた私だが、一応建前として、前のめりに話を聞くフリをした。
社長はそれに気をよくしたのか、面接の終わり際、自費出版と思われる自伝のような冊子を渡してきて、ぜひ読んでみるようにと勧められた。
時間にして約1時間半。終始、社長の武勇伝や自慢話だった。これほど無意味な面接は初めてだった。
ゲンナリして会社を後にした私は疲労困憊。お風呂に入ってベッドに潜り込んだのは夜の11時半。
暖かい布団の中でウトウトしかけていると電話がかかってきた。時刻は深夜12時を過ぎたくらい。
電話の主はさきほどの社長だった。これにはかなり驚いた。
内定なので、いの一番に連絡したということらしい。私のために良かれと思ってしたことなので、それはそれでありがたいのだが、電話する時間帯を考えてほしかった。
緊急事態でもないのに深夜に電話してくることの非常識さに驚くとともに、あまりの空気の読めなさに呆気にとられ、この瞬間、私は選考辞退を決意した。
もしそのまま、あの会社に入社していたら私はどうなっていただろう。おそらく、半年ももたなかっただろう。
今現在もその会社は存続しているので、社長の経営手腕は確かなのかもしれないが、あの時の私の判断は正解だったと胸を張って言える。
こう考えると、結果連絡が遅いのも困るが、早すぎるのも考え物だ。
明日は転職フェア
結果が待ち遠しい今日この頃。
そろそろ持ち駒が少なくなってきたので、少し枠を広げて応募を繰り返していると、全部で10件ほどストックすることができた。
来週あたりには新たな展開が見られることだろう。
そして明日は日本橋でマイナビ転職フェアが開催される。営業職とエンジニア職の求人が多そうな感じ。
いつもは東京ドームで開催されることが多いが、今回は違う会場のようだ。ただ、出展企業を見てみると、私の希望している仕事内容とは合いそうにないので、参加しようかどうか迷っている。
でも、もしかしたら思いがけない出会いがあるかもしれない。
収穫がなかったらラーメンでも食べて帰るか…
◆真・転職回顧録-再起動編 23/29へ続く
次回:40代無職男の最終面接結果!そして劇的なフィナーレへ