セミナーへの参加
某転職エージェント会社の主催によるセミナーに参加した。
このセミナーは3回連続で受講するもので、簡単なグループワークを行う。
3回を通じてメンバーが固定されているので、回を重ねるごとに仲良くなり、互いに情報交換などするようになった。
私はその中の一人40代後半の男性と仲良くなった。
彼はこれまで営業畑で20年ほどのキャリアがある。誰が見てもすぐに次の就職先が決まりそうな雰囲気だ。
そういう人はパッと見れば分かるようになった。案の定、書類選考の通過率も高いし、面接にもたびたび呼ばれているようだ。
書類選考通過のコツ
一方の私は書類選考に落とされる毎日。
書類の内容は決して悪くないはずなのだが、如何せん、求人が少ない職種なうえに年齢がネックとなっているのだろう。
先日、帰り道が途中まで一緒になったので、歩きながら書類選考通過のコツを聞いてみた。
すると『たくさん応募することですね』と教えてくれた。
ところで、このセミナーでは毎回、応募数や面接に呼ばれた回数をみんなの前で発表することになっている。
就職活動がさぼりがちになる求職者の尻を叩く意味もあるそうだ。
その発表を聞いていた彼は毎回、みんなの応募数が少ないと感じていたそうだ。ちなみにその人は三ヶ月で100件は応募していた。
数件ほど内定は出ていたらしいが、条件面で折り合わず、まだ求職活動を継続しているそうだ。
やっぱり、結果を出す人は陰でそれなりの努力をしている。
書類が通らないと嘆いている私はまだまだ努力が足りないと気付くことができた。
2件/日をノルマにしようと心に決めてその日は帰宅した。
何かをつかむためのセミナー
その翌日、私は前々から予約していた40歳以上の求職者向けパネルディスカッションに参加した。
これは現役人事担当者から色々な話が聞けるということらしい。今の私にピッタリの内容だ。
当日、期待しながら会場に到着すると、定員50名の室内はすでに人で一杯だった。
予想を大幅に上回る反響があったらしく、定員を超える申し込みがあったために急遽、立見席が設けられたほどだ。
仕事探しに必死な人がたくさんいることを目の当たりにして、気が引き締まる思いがした。
最初の演目は書類の書き方だ。
面接に呼んでみたいと思わせる応募書類作成のコツが聞けるらしい。
そしていよいよスタート!まずはパネラー紹介に始まり、話題は本題に移った。
う~~ん…
開始30分で分かったことは、レベルがあまりに低かったということだ…
いやそれ以前に、当たり前のことを抽象的な表現で話していただけで参考になる話は何一つなかった。
『書類は抜け漏れなく書きましょう』
『熱意をアピールしましょう』
そんな話に終始しており、わざわざそんなこと言われなくても当たり前のことばかりだ。
具体的なアピール方法だったり過去の参考事例など、採用担当者ならではの考え方やエピソードを期待していたのだが、そこには全く触れられることはなかった。
司会者もパネラーの話にうなづくばかりで、内容を深堀りするような進行もなかった。
そしてここでいったん休憩。
この時点で帰ろうと思ったが、もしかしたら次の面接対策の部ではなにか有益な情報があるかもしれないと淡い期待を抱きつつ、我慢して後半の部も参加した。
そして第二部開始
う~~ん…
う~~ん…
やはりレベルが低かった…
私が唖然としたのは、パネラーが「40代以降の方はやはり難しいですね」と言い切っちゃったことだった。
そんなことは我々中年求職者は百も承知だ。そこを何とか挽回する方法を聞きたいからこそ、話を聞きに来たのだ。
結局、「みなさん頑張ってたくさん応募しましょう!私たちコーディネーターが応援します!」と締めくくられた。
なんの収穫もなかった…ただただ交通費を無駄にしただけだった。
そもそも、主催者とパネラーの間で今日の内容のすり合わせが不十分だったのではないかと疑ってしまう。
私と同様、今日の内容に落胆した人も多かったのではないだろうか。
参加は無料なので贅沢は言えないが、もうちょっと聴講者の期待をくみ取った内容にしてほしかった。
落胆はこれだけではなかった
しかし、このまま帰ったのでは能がない。
せっかく交通費を使って都心に出てきたのだからと、近くにある就労支援機関で人材登録を行うことにした。
ここは一般的に知られていないが、技術職や管理職の経験をもつ40代以上の求職者を対象にしている。
その存在を東京しごとセンターで教えてもらい、以前から気になっていたところだ。
受付が終わり、いざ担当職員と面談がはじまった。そして私が言われた言葉はこうだった。
『求人のご紹介は難しいですね』
私のやってきた仕事は、登録可能な経験職種に該当しないということらしい。
とはいえ、「はい、そうですか」と簡単に引き下がるわけにいかない。
なんとか食い下がってみたものの、確かに、担当者の言うとおり求人そのものがない。
結局、ここへの登録は見送られ、期待を裏切られる結果に終わった。
肩をがっくりと落としながら施設を出ると、辺りはもう暗くなっていた。
やけになった私は、近くの定食屋に入ってかつ丼の大盛りを注文すると、食べきれそうにない量のご飯が盛られた丼が運ばれてきた。
精神的につらくなり泣きそうになりながらもガツガツ食べまくった。
結果、胃もたれした。
現状ではまだ光は見えない。
暗いトンネルをず~っと歩いているような感じだ。
しかし、動かなければ何も始まらない。
まずは考えられる限りの方法で応募を繰り返さなければ…たまには好きな物を腹一杯食べて元気を出そう。
◆真・転職回顧録-再起動編 17/29へ続く
次回:40代無職中年男、求人サービスの利用登録を拒否される