精神的ダメージが尾を引いている
これは緊急事態宣言が解除される少し前の話。
事態に収束傾向が見られたため、週に一回の出社が決まった。
私はもはやオフィスよりも自宅でのリモートワークの方が気に入ってしまったため、憂鬱とした気分となっていた。
そこにきての給料減額という非情なお達し。このダブルパンチを喰らって頑張れという方が無茶だと思う。
そして二回目の出勤日がやってきた。
通勤電車の混雑は以前ほどではないものの、確実に人は増えている。緊急事態宣言の少し前まではほぼ座れていたのに全く座れなくなった。
さらには、リモートワークの影響で体が少しなまってきたせいか、電車を降りた段階ですでにグッタリ。
リモート明けのミーティングにて
疲れた体を引きずるようにしてビルのエレベータに乗り込み、オフィスに入って自席に座る。
電車から降りた段階ですでにグロッキー状態だったが、こうして椅子に座ると不思議なことにシャキっとしてきた。
きっと、職場で仕事をするという緊張感のおかげで体内にアドレナリンが分泌されてきたのかもしれない
この勢いに任せて一日を乗り切ろう。さあ仕事だ。
ところで、サーバー内や紙媒体でのファイルを気軽に見られるというという点では会社の方がやりやすいが、それ以外にここで仕事するメリットは見当たらない気がする。
同じようなコメントは読者様からもいただいたし、同僚もリモートワーク一部解除を嘆いていた。
しかしここは日本。
どんなにリモートが可能だと分かっても緊急事態宣言が終われば、またいつもの日常が戻る。
それが労働生産性が低いと言われているこの国の所以だ。今回の騒動で変わらないのであれば、この先何があっても変わることはないのだろう。
何でもデジタル化すればいいというわけではないが、ハンコ・FAX・過剰なまでのビジネスマナー・客先回りなどなど、非効率さがウリの日本社会だ。
この国が簡単に変わるわけはない。
まあ、日本以外で働いたことないけど…
カッコイイかなと思ってちょっと批判めいたことを言ってみたかっただけです…
さて、話は本題に戻ります。
オフィスでも自宅でもメールは山ほど来る。問い合わせの電話もしょちゅう。
当たり前だが、家と会社で基本的にやることは変わらないし、資料も作らないといけない。
入社数ヶ月の私とはいえ、それなりに忙しいのだ。
そして出社後、とりあえずはミーティングから始まった。チームメンバー各々が業務の進捗や困りごとなどを報告し合う。
実を言うと、私はいくつかの爆弾案件を抱えている。前任者から引き継いだものだ。さすがにいつまでもこんな状態でいるわけにもいかないので、ミーティングでその相談をしてみた。
その結果は、現状維持。
つまり、まだ何もアクションを起こさなくてよいということになった。
私の経験上、このままだと確実に爆弾は破裂すると考えていたが、それをいくら主張しても結論は変わらなかった。
本当にそれでよいのかとても不安だったが、上司が言うのだから仕方ない。とはいえ、もし予想通りにこれが爆発したら、対応をするのは他ならぬ私だ。
ストレスでまた体調を崩すかもしれない。
まあいいや、そうなったら全てをマネージャーさんに投げてやる!
上司の理解を得るには、時にキレなければならないということをこの会社で学ばせてもらった。
まさかこんな日が来ようとは…
さて、その日は突然やって来た。
前日の出社が終わり、いつものように自宅で仕事をしていた。
この生活もきっと近いうちに終わるだろう。
『今の生活が名残惜しいな』などと思いながら仕事していると、チャットアイコンの点滅に気付いた。
どうやら私宛にメッセージが届いたようだ。
ちなみに、チャットでメッセージが来るとなぜかドキドキしてしまう。緊急の案件の依頼だったり、上司からの苦言だったりすることが多いからだ。
はっきりいって気が重いが、そうも言っていられない。『誰からだろう?』とメッセージを確認するとそれは新人さんからだった。
入社したばかりの段階でコロナウイルス騒動が発生したので、新人の彼女にとっては大変だろう。
仕事をしたくても何をやればいいのか分からないだろうし、疑問点もたくさんあるはずだ。
それに、資料を見て勉強するのだって限界がある。
そこで、実質的なトレーナーである私が電話やチャットなどで色々とコミュニケーションを図るように努めてきた。
しかし、それで十分なケアができていたかどうかは怪しい。
それはさておき、彼女からのこのメッセージもきっと、業務の疑問点に関することなのだろう。
そこには『相談したいことがあるので電話してもいいですか?』と書かれてあった。
さて、今日の質問はなんだろう?私が答えられる範囲のものであればいいのだが…
直後、彼女からの着信があり、最初は世間話でアイスブレイク。
そして話のテーマは本題に移り、彼女は言い出しにくそうに言葉を発した。
『 私、会社を辞めようと思うんです。 』
気晴らしに、こちらもどうですか?
私の転落人生はここから始まりました
このブログ、大好きです。僕も、毎日乗り切るのに、必死だけど、なんだかんだ、前向きなmiddlemanさんのブログを読んでると、僕も頑張らなきゃなと思います。これだけ読ませる文章力をお持ちなら、創作小説でも書いてみては、いかがですか?才能が、もったいないです。