無職40代男のGWの過ごし方
どのニュースを見てもGWの話題でもちきりだ。
これからの天候、観光スポットなど。
それを見ていた母親は隣で小さなため息をつく。言いたいことはよく分かる。
『他の人は楽しく出かけるのに、なんでウチは…』
それだけでなく母は最近、こんなことをよく口にする。
『あんたの同級生の~君は家を建てて、車を買って…それに比べてあんたは何でこんなことになったの』
すまない、母よ。俺はもう、あの頃の優等生ではないんだ。
それにしても、GW関連のニュースを一緒に見ていると本当にいたたまれなくなる。
追い打ちをかけるように、次のニュースは貧困家庭の特集だ。もう気が滅入る。
私だって、両親をどこかに連れて行ってやりたい。
そして、何の予定もない。
我が家のGWはどこにも行く予定はない。
ただこの家で、これからの人生の話をするだけだ。考えたけで暗くなる。
手持無沙汰になってふと壁に目をやると、両親と兄家族が旅行に出かけた際の写真がたくさん貼ってある。京都やディズニーランド。
どの写真も両親と兄家族が楽しそうに映っている。しかしながら当然、そこに私達夫婦は映っていない。
もし私が両親を旅行に誘うことができていれば、この壁に私たちの写真も貼ってくれていただろうか。
若干悲しくなりながら、隅っこを見てみると、私が移っている写真が一枚だけあった。結婚式のときのものだ。一応は飾ってくれているようだ。
この頃は明るい未来を信じて疑っていなかった時だ。少しお金がたまったら、両親を台湾旅行にでも誘ってみようかなどと妻と話していた。
しかし、この写真もいつまで貼られているか分からない。なにせ離婚するのかもしれないのだから。
そうなったら実家とは本格的に疎遠になってしまう気がする。
普段はあまり気にしないが、こんな光景を見るたびに昔のことを懐かしんでしまう。ちくしょう!
『あの会社がつぶれていなければ…もっとマシな人生を送ることができていたに違いない。』
無職を繰り返す底辺40代
無職であることに引け目を感じていると、ネガティブなことばかり考えてしまう。
思えば、会社がつぶれてからの再就職先でクビやパワハラを経験し、その後に残ったものは悔恨と絶望だけだった。
新しい職場を見つけては、一年後にはまた無職に逆戻り。妻からすれば、騙されたようなものだったのだろう。その点は本当に申し訳なく思っている。
こうして考えると、私は随分と妻と両親に心配をかけている。しょうがない、私が悪いのだ。
もう結果を出して安心させる以外に手はないのだ。
また自分を追い込むようなネガティブな発想になってしまった。
俺は楽しむ!無理やりにでも楽しむと決めた。
◆真・転職回顧録-帰省編 8/16へ続く
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