年末が近づく
新しい会社でのエピソードはだいたい、夏の終わりから年末にかけてのお話でした。
奇跡的に再就職を果たした元無職中年バツイチは、いったいどんな年末を過ごしたのか?今回はその様子を報告します。
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トラブルが盛りだくさんだったので、入社してから時間があっという間に過ぎ、やがて年末を迎えた。
くだらない人間関係やトラブル続きの仕事とはいえ、そのそのおかげで無職での年越しは避けることができた。
それだけは感謝している。
少なくともこれで、引け目を感じることなく知人や友人に会うことができる。
そして年末と言えば、忘年会、帰省。
一年で最も盛り上がる時期だが、ここ数年は憂鬱で仕方なかった。
だが、働きはじめたことで、そうした社会のイベントに胸を張って参加できるような気がしていた。
忘年会の場合
こんな私にも友人や知人とのつながりがある。
特に学生時代の友人たちとは年に一回の忘年会で集まることにしている。
毎年の恒例行事だ。
ほとんどの友人は大阪に住んでいて顔を合わせることがないので、みんなを会うのは一年ぶり。
そして今年は気分を変えて東京開催ということになった。
集合時刻が近づき、メンバーが駅前のロータリーに集まりはじめる。
40代を超え、みんなさすがに老けてきた。
だが、年齢を重ねたぶんだけ社会的な責任も大きくなって、家やマンションを購入し、それぞれに家庭を築いている。
無職バツイチの私には、みんなはまぶしすぎるくらいの存在だ。
だからこそ、彼らには私が離婚したことや無職となったことは伝えていなかった。というより伝えられなかった。なぜなら、自分の落ちぶれた姿を見せたくなかったから。
しかし、再就職を果たした段階で全てをカミングアウトしようと決心していた。
数分の談笑の後、予約した店に向かう。そして、乾杯の後、私はおもむろに離婚して再就職したことを伝えた。
みんなかなり驚いていたが、だからといってそれ以上でもなかった。私以外にももう一人バツイチがいたからかもしれない。
むしろ、離婚をイジりつつ、よく再就職できたなあと言ってくれた。
必要以上に励まされるより、こんな風に少しイジってくれるくらいの方が気楽だ。
こんな風に接してくれるからこそ、この友人たちとは長く付き合えるのかもしれない。久々に心の底から楽しめた一日だった。
帰省の場合
さて、問題は帰省だ。
身内なので、さすがに今の私の状況は全て知っているが、それでもハードルは高い。
なにせ二年ぶりのことだし、離婚や相次ぐ転職などで人生がハードモードになってからは仲も悪い。それに今年は兄の家族も来るというので気まずさに拍車がかかる。
ちなみに甥と姪はそれぞれ大学・高校に合格した。
だから、その合格祝い兼お年玉もあげたかった。
低賃金ではあるものの給料はもらっているので、お年玉の捻出に困ることはない。
しかし、離婚したダメオヤジがどんな顔してお小遣いをあげればよいのか?
非常に悩むところだ。
そして帰省して迎えた大晦日。
なんと姪が風邪をこじらせ、兄家族は急遽、実家に来ないことになった。
私は運がいいのか悪いのか分からなかったが、これで彼らと顔を合わせることはなくなった。
しかしどうしてもお小遣いはあげたかったので、合計5万円を両親に渡してきた。
かなりの高額だが、これには訳がある。
二人はそれぞれ世間一般でいうところの超難関校に合格したからだった。甥はかなりの進学校へ、そして姪は誰もがうらやむような大学に現役合格したのだ。
二人の快挙を祝して、という意味合いを込めている。
父・母・私で過ごすお正月
予期せず時間が空いてしまったわけだが、その分、両親と私は、現状や今後のことを少し深く話すことができた。
まずは、私は今の仕事のことをあまり快く思っていないこと。そして給料が低いこと。
頑張ってこのまま定年まで働いても、年収が大幅に増えることはないだろう。
実際の私の収入を告げると、父は珍しく『それは厳しいなぁ』とポツリとつぶやいた。
無職の時は心配をかけ、就職しても低収入で心配をかけ、どこまでいっても安心させることができない。
まるで底なし沼だ。
おそらく私は、今のところでずっと働くことはないだろう。何年後ろかは分からないが、そう遠くない将来、退職することになるはずだ。
そうなることは自分自身が一番分かっている。
なぜなら会社がブラックではなく、私自身がブラックなのだから。
最近ようやくそれを自覚し始めた。というか、その事実から目を背けていた。
だから私は今後に向けて手を打ち始めている。少しづつではあるが前進している…と信じたい。
どれだけ会話を深めても今後の希望を見つけられることはなかったが、時間をかけて落ち着いて話し合ったという事実こそが今の私と両親の間には必要なことだった。
それができただけでも、今回の帰省には意味があった。
除夜の鐘は父・母・私の三人で聞いた。
こんなことは本当に数年ぶりだ。
そんなことを話しながら、三人で珍しく仲良く年越しそばを食べたのであった。
私の転落人生はここから始まりました
私も転職してから数ヶ月が経ちました。事務所の雰囲気がよくなく、毎日クタクタです。しかし、これまでの経験上から、不思議と悪い雰囲気は改善されて行くので、今はそれを待ってます。middle-manさんも少しお待ちするのをおすすめします。