有望そうな求人2件
前回の記事ではハローワークで見つけた良さげな2件の求人に応募したことを報告した。
今回はその続編です。
ただし、結果を引っ張りすぎるのはあまりよろしくない。そこで、見ただけで内容が分かるような記事のタイトルにしてみた。
そう、またしても結果は残念なものだった。
さて、そんな私が応募したのはどんな仕事だったのか。それは、マーケティング職だ。
聞こえはいいが、要はWebに関する何でも屋だ。でも、これなら今までの経験を何とか活かせそうだし、そのための資格も取った。
とはいえ、大企業のマーケティング職なんてとてもじゃないが歯が立たないので、もっと小さな中小企業かつ異業種に絞ってみた。
2件の求人内容
異業種でも今までの経験が活かせることが出来れな、極端な話、魚屋でもいいし、タクシー業界でもいいと思っていた。
そんな思いで今回見つけたのは司法書士事務所とクリニックの求人だった。
業界の中では珍しく、自社でマーケティング部門を設けており、多くの求人の中でもかなり目立つ。
応募にあたっては、迅速かつ丁寧に書類を作成した。
特に志望理由には力を入れ、なるべく専門用語を使うことなく、そして文章量が多くならないように。なおかつ、考え付く限りのアピールを盛り込んだ。
また、独りよがりにならないよう、ハローワークの職員にも応募書類についての意見を求めてみた。評価は上々だった。
その後、色々な修正を繰り返し、やっとのことで完成した原稿を高品質の紙に印刷してクリアファイルに収め、丁寧に封筒へ。もちろんカバーレターも添えた。
履歴書を入れる封筒について
さてここで本題を少し離れて、ちょっと面白い情報を。
履歴書などを入れる封筒には『応募書類在中』や『履歴書在中』などと朱書きするのが一般的だ。
しかし、『応募書類』や『履歴書』などの漢字は画数が多いので、変に丁寧さを意識して書いていると、ついつい間違えてしまうことがある。
今までそんなことが何回もあったので、この際、スタンプでも買おうかと思っていた。
しかし、ロフトやハンズでさえもそういったものは売っていなかった…。置いているのはキャラクター付きの『がんばれ!』『もうちょっと!』『よくできました!』とかそんなものばかり。
心情的にはピッタリのスタンプだが、これを押したら封筒だけで不採用確定だろう。
また、通販では販売していたものの、私は今すぐ必要なのだ。
そんななかたまたま見つけたのが、履歴書専用の封筒。
これには予め、赤色の文字で『履歴書在中』と印刷されている。低スペックカメラなので分かりにくいが、こんな感じ☟
通常、封筒と履歴書本体はセットで販売されているものだが、これは履歴書用封筒のみ5枚単位での販売だった。これこそまさに私が求めていたもの!
『日本法令』というメーカーだった。なんて気の利く企業なのだろう!
『こういうアイデアを思い付く人が社内でエース級と呼ばれる活躍をしているんだろうなあ』などとと感心しながらそれを購入した。
思いがけず良い買い物ができた。
さっそく、この封筒に完成した書類を入れて、翌朝それを郵送するために机の上にそれを置いて就寝した。
次の日、私は6時30分に目が覚めた。単に応募書類を郵便局にもっていくだけなのに、妙に気合が入っていたからだ。
格安スーパーで購入した食パンで朝食を済ませ、朝8時半に2通の応募書類を持って家を出た。外は快晴だ。
『これはもしかして、良い出来事の前兆なのでは!?』
今思うと、この時の私は完全に浮かれていた。
なにしろ、両方の求人とも経験も活かせそうだったし、ぜひともやってみたい仕事への応募だったからだ。
おまけにライバルは10名程度で皆40代~50代。これなら年齢で不利になることはないし、私でも十分に戦えそうな気がしていた。
でも、たまには浮かれたっていいじゃないか。
特に没頭できるような趣味があるわけでもないし、私は無職中年バツイチ独身薄毛男という悲しい属性なんだから…
郵便局のおばちゃん
朝一番で意気揚々と向かったのは、近所にある小さめの郵便局。ここはいつも空いているのでよく利用している。
それにしても、『履歴書在中』を書いている封筒を出すので、『ああ、この人は無職なのか』と窓口の人に悟られるのが少し嫌だ。
意識しすぎなのかもしれないが、無職ならば一度は経験するあるあるネタだ。
この日もそんな気恥ずかしさをこらえつつ、窓口にそっと2通の封筒を差し出す。すると、いつものおばちゃんがこっそり『頑張ってくださいね』と声を掛けてくれた!
多分、郵便局の業務マニュアルからすると、こんなことを言うのはNGだと思う。ただ、ちょくちょく履歴書を郵送する私を見て少し不憫に思ったのだろう。お互い、同世代のように見えるし。
二人の交流がここから始まり、やがて…なんてことはもちろんない。あくまで愛想のいいおばちゃんからの激励だ。
今までにない一言にとても驚いた私だったが、『これは絶対にいいことがある!』そう確信した瞬間だった。
そして応募から二日、三日と経過した。
来る日も来る日もメールを確認したが、結果は一向にやってこない。
音沙汰のないまま一週間が経過した。その間、応募した求人が取り下げられていたことが判明し、これには期待が高まる一方だった。
いてもたってもいられなくなった私は、ハローワークに行って選考結果が来ているかどうかを確認することにした。
そして職員から告げられたのは『う~ん、今回はちょっと残念でしたね…』という一言。不採用理由は特に付されてはいなかった。
まさかと思った。
どうやら私はライバルとの競争に敗れてしまったようだ。
なぜだろう。最高の出来に仕上げた応募書類のはずなのに。縁がなかったといえばそれまでだが、そう簡単に割り切れるものではない。
この状況を受け入れられなかった私は『何かの間違いじゃないのか?もしかして訂正のメールが来ているかもしれない』と思い、すぐに帰宅して確認してみることにした。
するとタイミングよく、会社からメールが届いていた。その内容は、『貴殿の今後のご活躍をお祈り申し上げます』というもの。
これまで私はたくさんの企業から祈られてきた。これだけ祈られるのだから、私は現人神かもしれない。
まあこれで私の不採用は100%確実なものとなった。結局、求人が取り下げられていたのは、私以外の誰かに内定が出たからなのだ。
応募する際、色んな出来事にルンルンだった私は本当に滑稽だ。
ハローワークで得た画期的アドバイス
この状況にあらためて危機感を覚えた私は、どうすれば状況が改善するのか、そのアドバイスを求めにハローワークに相談してみた。
すると、意外な答えが返ってきた。
『この短期離職の経歴を履歴書から削除してはどうですか?』
ここでいう短期離職とは、管理職として入社したもののパワハラを受けて辞めてしまった職歴のことだ。
目から鱗とはまさにこのことだった。
書類選考においてこの短期離職の部分が不利になっていることは自分でも十分に分かっていた。でも、厚生年金の加入記録を調べられたら…と思うと、それを履歴書に書かずにはいられなかった。
しかし、この時は半ばヤケ気味になっていたことと、就活のプロであるハローワークからこのアドバイスを受けたことでそれが吹っ切れた。
直近の経歴でなければ、自分の不利になるような職歴は思い切って省略してしまうくらいのしたたかさがあってもいいのだ!
特に私のようなチグハグな経歴の持ち主は、馬鹿正直にやっていてはダメだ。それに今は正々堂々と、なんて言ってられる状況じゃない。
もし省略した職歴のことを聞かれたら、『就活してました』と言い切ってしまえばよいらしい。
ただし、この方法には大きな注意点がある。
それは直近の職歴を削除するのはやめた方がよいということだ。
つまり、直近よりも前の職歴なら削除したとしてもそうそう突っ込まれることはないということらしい。
私の場合は幸いにも、削除したい職歴が直近から数えて二社目だったので、この方法を使うことができた。
これを実施するにあたっては自己責任でやるしかない。ブログ読者のみなさんもどうか、削除するかどうかは自己責任で判断してください。
暗黒の職歴を消してしまうことで事態が好転するかもしれない。一筋の光明が見えた気がする。
ただ、ハローワークだけの見解では少し不安だった私は、念のために民間の転職エージェントの見解も聞いてみることにした。
すると彼も『私が同じ立場でもここは削除すると思います』とのことだった。
これで決まりだ!
暗黒のパワハラ会社は、記憶からも書類からもキレイさっぱりご退場いただくことにした。
さて、この対策が今後の就活にどれくらいの影響を及ぼすかは全くの未知数だ。ここは私が実験台になって確かめてみようと思う。きっとうまくいくはずだ。
今現在、書類選考の通過率は4%。はたしてこれがどのくらい変化するのだろうか。
上向くか、下向くか。それとも横ばいか。
失意と期待が入り混じった複雑な思いとともに、いつもの格安スーパーへ一週間分の食材の買い出しに向かう私だった。
◆真・転職回顧録-再びの就活編 17/27へ続く
次回:【件名】書類選考の結果について
おはようございます。
短期離職の経歴を履歴書から削除してはどうですか?というのは個人的には反対です。
経歴詐称に問われる可能性があるので、人材紹介会社等では絶対に言わないと思います。
短期離職には必ず理由があります。
ご本人の責任でないことを明確に示せれば、まともな人事ならわかることです。
無責任なハロワの職員はなぜそんなことをいったのだろうと憤りを感じています。
とはいえ、ここに匿名でコメントしている私も無責任なのかもしれません。
しかし、元人事なので、気になってしまいました。
筆者さんさえよければ、CVについてはアドバイスできます。
もし必要でしたらご返信ください。
それでは失礼いたします。