ただいま無職
一週間ぶりに実家から帰ってきた。
久しぶりに我が家を見ると、色々と殺風景な気がする。自分の家ではないみたいだ。
さて、実家での話し合いの結果、私は東京に住みながら自分一人で仕事をすることになった。
こちらのわがままを通したかたちだ。
また、妻との離婚はほぼ確実だろうということも両親には話してきた。
その晩、仕事から帰宅した妻に、一週間にわたる実家との話し合いの結果を報告した。
自分で仕事を始めるということは以前から話していたので、その点は深い話になることはなかった。
しかし問題は、離婚するかどうするかということだ。
それでしばらく話し合いになった。
私が無職の状態では離婚の可能性は極めて高いが、本音を言えばもちろんそんなことはしたくない。
親戚やお世話になった人への報告など色々と面倒なことはあるが、それらはいったん横に置いておいて、純粋に私との夫婦関係を続けたいかどうかを聞いてみたところ、こう言われた。
『ハッキリとは答えられない』
字面だけ見ればまだ可能性があるようにも見えるが、このまま夫婦を続けていきたいと断言できないということは、つまりそういうことだ。
やっぱりだめかなあ
一番の原因はやはり、私の仕事が安定しないことだった。
私はこれまでせっかく正社員になったのに短期離職を繰り返してきた。
この先、自分で仕事をやっていくにしても、うまくいくかどうか分からない状態では、共に人生を歩いていくのは難しいということだった。
分かってはいたけれど、やっぱり落ち込んだ。
できることなら私は、この生活を続けながら仕事を軌道に乗せて、なんとか妻の信頼を取り戻したい。
でも、無職に近い状態がしばらく続いてしまう以上は、妻の気持ちが私から少しづつ離れていってしまうのは明らかだし、金銭的なこともある。
離婚せず別居という形もあるのでは…とも思ったが、どっちつかずの状態はお互いにとってプラスにならないという結論になった。
ドラマに出てきそうな展開がまさか自分の身に起きるとは…
色々と暗い話ばかりになったが、少しは前向きな話もあった。
それは二人だけで悩みを抱え込まず、共通の知人に相談しに行こうということだ。
告白する勇気
この人は結婚の時もお世話になっており、信頼のおける人だ。
「こんなことを相談したら驚くだろうなあ、どんな顔するかな」
珍しく、私たち二人は同じことを思っていた。
結論は出なかったが、この日の話し合いはいったんそこで終しまいにした。
風呂上り、全く別の用事でデジカメをいじっていると、昔の写真が出てきた。
メモリーカードの中には私たちがまだ付き合っていたころ、誕生日を二人でお祝いした時の写真や新婚旅行の写真がたくさん出てきた。二人でシンミリとしながら30分ほど眺めていた。
そういえば、離婚経験のある友人がこんなこと言っていたのを思い出した。
「離婚というのは、それを話し合うだけでもエネルギーを消耗する」
ほんとにそのとおりだと思った。
◆真・転職回顧録-ゴミ部屋編 1/17へ続く
次回:40代底辺無職による別居の挨拶
匿名様
コメントありがとうございます。
格好つけているつもりはないですが、格好悪いのは認めます。
格好いい大人になりたいですね。