元無職の中年カスタマーサポート男、気難しいお客さんとの打ち合わせ

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まずは社内での作戦会議

(ここまでのお話については前回記事を参照)

我々は慎重に慎重を期すため、お客さんとの打ち合わせに向けて話をどのように進めるか一週間にわたり会議を行った。

メンバーは、マネージャーさん、リーダーさん、前任者の田中さん、私。

まずは事の経緯と現状を全員で整理する。
田中さんと私はもう十分に把握しているが、マネージャーさんとリーダーさんの認識は不十分だった。

マネージャーさんは仕方ないとしても、せめてリーダーさんくらいはこの成り行きをしっかり理解しておいてほしかった。

とはいえ、これには田中さんの報告が不十分な点もあったのだろう。

私はそもそもトラブルシューターとしてこの会社に採用されたわけではないので、こんな状況を尻拭いさせられるのは結構つらい。

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想定問答集の作成

この会議では、想定される相手の出方とそれに対するこちら側の説明を念入りに確認した。

色々と考えてみたものの、どう考えても向こうの考え方やもの捉え方に矛盾点がある。

それをどのようにやり過ごすか、それも穏便に。
焦点はこの一つに絞られた。

でもよくよく考えると、相手の主張は色々な勘違いが前提になっている。

なので、↓のような展開になることは容易に想像できる。

お客さん
お客さん
■■は××だと説明したのはそっちじゃないか!
私
確かに誤ってそういった説明をしてしまいましたが、~の書類のとおり、●●が正しい解釈です
お客さん
お客さん
それだと話が違うじゃないか!

正直なところ、あまり建設的な話し合いができるとは思えない…

初めから諦めているわけではないけれど、不毛な議論の繰り返しになるだろう。それを考えるだけでドッと疲れる。

とはいえ、せっかく対面で相手と話し合うのだ。
ここはやはり資料を使った説明が必要だ。

その資料作成の大役は田中さんと私が仰せつかった。
まあそうなるだろうが、こんな後ろ向きな資料作成は乗り気が全くしない…

本番、迫る!

結局、そんな感じで社内調整が終了し、いよいよ翌日に本番が迫った。

ところで、ビジネスマンが競合他社とのコンペに勝つため奮闘するシーンをテレビドラマなどでよく見かける。物語の山場だ。

気難しい同僚と時には喧嘩しながらも、一致団結して勝利をつかみ取るみたいなやつ。

しかし、私の場合はそんなカッコイイものではない。打ち合わせという名の謝罪行脚のためにこんな資料をモクモクと作成している。

長いこと社会人をしていますが、ドラマと違って現実のサラリーマンはやっぱり泥臭いものですね…

社内会議が終わった後、マネージャーさんから『後でデパートで手土産を買っておいてね。当日、それをお土産にして持っていくから』との指示があった。

Photo by Tumisu from Pixabay

しかし、手土産なんか持参したら100%こちらに非があることを認めているのと同じじゃないか。こういうときの対応方法って難しいなあと痛感した。

それにしても、もし私なら、いくら付き合いの長い会社といっても、こんなに話がこじれてしまったのであれば契約を切る。

この会社からの売り上げと、それに対応する社員のストレスを比較すれば、後者のほうに重きを置いた方が絶対に今後のためになると思うのだが…。

それに、もしこういう状況で上長が部下を守る気概を見せてくれれば、下がりに下がった私のモチベーションも少しは回復するのだが。

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打ち合わせの雰囲気

私はマネージャーさんの指示のとおり、前日に高級デパートで洋菓子を買ってきた。

どうせ会社の領収書を切るのでめちゃくちゃ高いものを買ってみた。
半ばヤケクソな気分。

その手土産を持って先方の会社に向かう。メンバーはリーダーさん、私、田中さんの三人。

ちなみに色々な理由を付けてマネージャーさんは来なかった。
そのとき私は『逃げやがった!!』と思った。

真偽のほどが分からないが、どうやら大事な用事があるらしい。
結局、マネージャーさんの代わりに田中さんが参戦することとなった。

人身御供にされてかわいそうに…

三人で一緒に出発して、電車を乗り継ぐこと20分。都内某所に到着した。

相手は一応、大手の会社なので、こちらもそれなりの対応しなければいけない。
どことなくみんな緊張しているように思えた。

受付の電話で担当者を呼び出し、彼を待っている間、我々三人は神妙な面持ちで椅子に座る。

それにしても、我々の周りだけ空気がとても重い。
リラックスするために軽く雑談したかったのだが、この雰囲気ではそんなこととても無理だ。

やがて奥から女性がやって来て、我々三人を奥の会議室に案内してくれた。
その途中、ちらりと見えたオフィスの様子に私は少し驚いた。

窓の上部に張り紙が何枚も貼られており、そこには社員の意識を昂揚させるような言葉が書かれていた。

それをそのままブログに書くのはマズいので少しぼやかすが、『今月の売り上げ○○必達!』とか『足らぬ足らぬは工夫が足らぬ』とか、大体はそんな感じ。

ここだけ戦時中かよ!と言いたくなるような風景だったが、この会社ならば無茶苦茶なクレームも十分あり得るなと妙に納得してしまった。

まったく変な会社に絡まれてしまったものだ。

そしてラスボスの待つ会議室の扉が開かれる…

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『元無職の中年カスタマーサポート男、気難しいお客さんとの打ち合わせ』へのコメント

  1. 名前:匿名 投稿日:2020/06/30(火) 20:53:26 ID:40aa6c682 返信

    うおお、気になる展開!

    • 名前:middle-man 投稿日:2020/07/12(日) 23:32:22 ID:281cf8fb2 返信

      匿名様
      コメントありがとうございます。

      いつも当ブログをご覧いただきありがとうございます。
      これからもどうぞよろしくお願いします。