突然の電話
私は実家を出て関西の大学に通っていた。
そのため、40歳を過ぎた今でも親交があるのはほとんどが大学時代の友人ばかり。
高校時代の友人とは疎遠になっている。
そんななか、私の連絡先を知った高校時代の友人から約20年ぶりに電話があった。
「久々に会わないか?」
私は二つ返事でOKし、当日、待ち合わせ場所に向かった。
久々の再会
久々に会う彼は少し太っていたが、当時の面影は十分に残っていた。
近くにあった焼き鳥屋に入り、ビールを飲みながら互いの近況を話し合った。
彼はゼネコンで働き全国を飛び回っていたのだが、思うところがあり、外資系に転職。
今は東京でマネージャー職として忙しくしているそうだ。
そして、お互い既婚者ということもあって、家庭のことや子育てのこと、仕事のことなど色々なことを話した。
もちろん私は無職であったが(今もそうだが・・)、とても口にはできず、会社員のフリをしていた…。
子供のことや仕事のことを話す彼は、私よりもはるかに大人に見えて、とてもまぶしかった。
私も、胸を張って自分の近況を語れる人間になりたいと強く思った。
そんなことを話していると時間はあっという間に過ぎた。
楽しかった飲み会は終わり、帰宅すると時刻は夜の12時を過ぎていた。
本来なら、すぐにシャワーを浴びて寝るところだが、久々に友人と会ったことで、ふとあることを思い立った。
埋められない差
大学時代の友達はどうなっているか、無性に知りたくなった。
親しい友人たちの大体の近況は知っているが、それ以外の友人だったり、大学時代の後輩だったり、彼らは今どうしているのかを調べてみることにした。
専攻していた分野の関係で、多くは生命科学系のアカデミックな世界にいることが多く、IT業界に鞍替えしたのは私くらいのものだ。
ネットで検索してみると、みんなのその後に驚かされた。
日本を代表する製薬会社の研究員、医大の講師、大学の准教授、助教。
20年近くたって、冗談を言い合っていた仲間はそれぞれ、社会的に責任ある立場の人間になっていた。
それに対して私はというと、倒産、クビ、パワハラなどを経験して無職となっている。
結婚こそしたものの、子供はおらず、夫婦生活も破綻寸前。
彼らとはいろんな面で圧倒的な差ができてしまった。
もうこの差を埋められない。
私の努力不足だ。
ただ、悲観しているだけでは前進しない。
なんとか、これをポジティブにとらえたい。
友人たちも頑張っているのだから、私も何とか再起を図りたい。
いや、図らなければならない。
そういう意味では、いい刺激を受けた一日だった。
ありがとう友よ。
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