帰省して約一週間。
実家の居心地は悪い。
今の私には居場所がない。
昔は実家の二階が私の部屋だったのだが、今は両親の寝室になっている。
そのため私は大体、リビングにいる。
23時を過ぎると両親は二階の寝室に行く。
それを過ぎるとリビングには私一人になり、やっとノビノビできる時間になる。
いつの間に実家がこんなに窮屈になってしまったのだろう。
そしてもうひとつ、今、私が唯一リラックスできる場所はいつものファミレスだ。ここなら誰にも気兼ねすることなく作業することができる。
店員の視線がやや気になるところだが、実家で感じている息苦しさに比べればずっとマシだ。このファミレスはもはや我が家かもしれない。
さて、明日はファミレスで友人と会うことになっている。
帰省のために車で私の実家の近くを通りかかるので、久しぶりに会おうということになった。
付き合いは20年
彼は大学時代からの友人で、親友の一人だ。同じ研究室に所属していたことが縁で仲良くなった。
就職を機に離れ離れになってしまったが、それでも年末など節目節目に会って旧交を温めてきた。
彼も新卒で就職してからは随分苦労していたようだ。会社の規模が比較的小さく、忙しい割には給料が安い。
そんな待遇に不満を漏らしており、電話で愚痴をよく聞いていた。
しかし彼は転職を成功させ、今ではステップアップを果たし、誰もが知る日本トップクラスの製薬メーカーの研究員として働いている。
きっとこれも一貫したキャリアを積んできた賜物だろう。私に欠けているのは、この一貫したキャリアなだけに、素直にすごいと思う。
人生はどうなるか本当に分からない
彼は7~8年前までブラック企業で働いて色々と悩んでいたのに、今や大企業の一員として立派に働いている。
こんな話を実家でしようものなら、母がまたため息をつくことになるので、あまりこの話はしないようにしている。
さて、明日は彼とどんな話をしようか。
きっとまずはお互いの近況から話し始めることになるのだろう。
ちなみに彼は私の窮状を知る数少ない一人だ。全て知っているからこそ、見栄を張ることなくざっくばらんに話をすることができる。
自営をしようとしていること、離婚のこと…
相談とは言わないまでも、友人に話を聞いてもらうだけでも気持ちが随分と軽くなるのではないかと期待している。
もしかして、彼が会おうと言ってきてくれたのは、私の話を聞いてくれるためなのかもしれない。
やはり、持つべきものは友だ。
こんな時は友達の存在が何よりありがたい。
そんな私に父からある誘いがあった。
◆真・転職回顧録-帰省編 12/16へ続く
次回:実家の雰囲気が暗い原因は、無職な私
文章が気取ってて気持ち悪いですよ。
もっとサラッと書けないんですか?