それは少し前のこと
10連休前に15件ほどの求人に応募していた。
書類選考通過がそこそこ有望なものも含まれている。
そして休みが明け、選考結果がドカドカと返ってきた。
『一件くらいは面接に行けるかな?』
そんな淡い期待を抱きながら企業からの返信を確認してみると、結果は見事に全滅。
う~ん、現実はやはり厳しい。
私くらいのベテラン無職ともなれば、わざわざ本文を見ずとも、『選考結果について』というメールの件名だけでおおよその見当がつくのがとても悲しい…
転職エージェントでストレス発散する無職40代男
たくさんのお祈りメールが送られてきた一方で、先月面談したエージェントからは何の音沙汰もない。
お世辞にも敏腕エージェントという感じがしなかったので、『まあこの程度のレベルか』と半ば諦めてはいた。
しかし、私の個人情報だけが抜かれた気がして少し腹立たしい。もちろん私の個人情報なんて何の価値もないが、とりあえず苦情は出しておいた。
本当なら電話で直接不満をぶちまけるのだが、大体の場合は居留守を使われるのでメールで苦情を送った。しかもこんな場合は、結構きつめの文章でクレームを送ることにしている。
こうでもしないと舐められっぱなしになった感じがするので、胸に残るこのモヤモヤをスッキリさせたいからだ。
ちなみに、日本で『クレーム』という文言を使うときは不平不満を伝える場合に用いられるが、英語の『claim』の意味は『主張する』という動詞らしい。これはこれで覚えやすい。
転職エージェントは殆ど有効活用できていないが、唯一、TOEICの単語対策には役立った…
まあなんにせよ、就職活動の状況は相変わらず芳しくない。
ふとした瞬間に痛感する己の年齢
ところで、私がエージェントからも無視されるのは、スキル不足や転職回数のせいだと思われる。そして、それと同じくらい大きな要因は年齢だ。
業界にもよるが、IT業界であれば会社の規模を問わず、30歳前後の若い応募者を好む傾向が強い。
転職サイトに掲載されている社内風景を見ると、お洒落なオフィスで和気藹々と仕事しているのはみんな若者ばかりだ。
しかし実際のところはどうなのだろう。
若い従業員ばかりなのか、それとも企業のイメージアップを図るためわざと若々しさを前面に押し出しているだけなのか。
そして、もし本当に若い人ばかりで構成されているならば、もう15年ほど経つと、この人たちはどうなるのだろう?若い人たちと入れ替わりで社外へ放り出されるのだろうか?
そんなどうでもいいことを考えながらも冷ややかな目でオフィス風景を眺めていると、『むさくるしいおっさんはいらないんだよ!』と言われているような気がしてとても悲しい。
こんな時に『あぁ、そういえば俺も40歳を超えてしまったんだ』と思い知らされる。
またそれ以外にも、自分の年齢を痛感するときがある。
それは同年代のスポーツ選手の引退発表を知った時だ。最近で言うと巨人軍の上原投手。その少し前は元日本代表の川口選手、楢崎選手、そして中澤選手などなど。
それだけではない。
友人が家庭を築き、家を建て、マンションを買い…そんな話を耳にする時にも『俺は社会の中心を担うべき年齢になったんだなぁ』と実感する。
もちろん私もみんなと一緒にその輪の中に入りたいのだが、責任ある大人としての役割を果たせないままでいる。でも、これももう少しの我慢だと思い、今は『忍』の一字で頑張っていこうと思う。
身体にも現れてきた顕著な変化
また、気持ちの面だけでなく、身体にも老いの兆候が明らかに現れてきた。
それは薄毛!
とくにここ数か月、額から頭頂部にかけて、以前にも増して髪の毛が薄く白くなってきた。これは絶対に照明や気のせいではない。
そのため、今の状態のまま髪を伸ばすと確実に悲惨な見た目になってしまう。それだけは絶対に避けたかった私はある決心をした。
それは3mmの丸坊主にすること。この短さは小学3年生以来だ。しかし、禿げていたとしてもこの短さのボウズなら清潔感を演出できるはず。
そこでさっそく1000円カットのお店に行ってきた。
ここはおばちゃんが一人で切り盛りしている個人店のようで、その安さに惹かれて初めて入った。平日昼間だというのに、意外にも数人の順番待ちが。
雑誌を読みながら待っていると、50分ほど経ったところでやっと私の順番になった。
椅子に座り目をつぶっているとウトウトしてきた。すると眠っていた間に散髪が終わったようで、『出来上がりを確認してください』と声を掛けられて目が覚めた。
そしてここで事件発生!
鏡でサイド部分を確認してみるとなんと、もみあげがバッサリと剃り落とされているではないか!
そこに映っている私はまるで、昔近所にいた魚屋か八百屋のおじさんのようだ…以前のように生えそろうまで一体あとどれくらいかかるのだろう?
もみあげは残しておいてほしいとハッキリ伝えておくべきだったが、まさか当たり前のようにそり落とされるとは思ってなかったし..
店を出た瞬間に、私は猛ダッシュで家に帰り、姿見の鏡で自分を見てみた。
眼鏡・白髪交じりの3mmボウズ・もみあげなし。それに加えて無職・バツイチとくれば、これは完全に社会不適合者ではないか…
今はこんなだけど、一刻も早く普通のおっさんに戻りたい。その一心で今日も求人に応募する私であった。
◆真・転職回顧録-再びの就活編 15/27へ続く
次回:試験結果は不合格!失意の40代無職男、その後。
始めまして。ブログ読ませていただきました。
私は44歳妻子持ちです。現在上司のパワハラにより体調を崩して休職中です。
私も転職数がかなりあり、妻には苦労ばかりかけていて、もう死にたいと思ってた所でこのブログを見つけ、もう一度立ち直ろうと思いました。
ご自身が大変な境遇にもかかわらず、他者を思いやる内容に心を打たれました。
お互い頑張りましょう!