40代無職男、アルバイトでの絶望的な年収

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夢のない年収

所用でコンビニに立ち寄り、そのついでに店内をブラついていると、ある週刊誌に目がとまった。

その雑誌には中高年の貧困が特集されていたからだ。

こんなとき、自分の低収入を嫌でも考えさせられる。

その記事は、平均年収を大幅に下回る中高年の実態を詳細に伝えており、私はその内容に愕然とした。

なぜなら私は、そういった苦境にある人たちの年収にすら及んでいないからだ。

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現在の年収

以前は、平均年収400万が当たり前のように考えていた。
いや、むしろ低いとすら思っていた。

しかし、無職となった今、その金額は夢のまた夢となった。

ちなみに、2018年における東京都の最低賃金は、時給にして932円。

これを基にして8時間/日、20日/月で稼働しても、月収は149,120円にしかならない。
そうすると年収は1,789,440円。つまり、年収200万円にも満たない。

今の私はそこまで働いていないので、さらに低い。

分かってはいるが、こうした現実を突きつけられると戦慄が走る。
外は暑いのに、今にも冷や汗が出そうだ。

さらに別の角度から計算してみた。

アルバイトで年収300万円を稼ごうとすると、時給1,562円で働くことになるが、時給1,500円のアルバイトなど通常はありえない。

昔、年収300万円時代といった本が話題になったが、本当にそんな時代がやってきたのだ!

しかし、どれだけ低年収だといっても、いまのところ残された道はアルバイトしかない。
普段はあまり考えないようにしているが、こうした現実的なことを考えると頭を抱えたくなる。

ところで、今週、時給1,100円のアルバイトに応募しようかどうか悩んでいる。

条件としては比較的よいほうだろうが、この仕事を1年続けたとしても年収は約210万円だ。

これでは、私一人が食べていくので精一杯だ。

間違いなく言えることは、一般的な40代会社員の年収と比較するとこの金額は低すぎる。

さて、これからどうすべきか。

私の場合は、いざとなったら帰る実家があるだけ幸せなのかもしれない。

尽きない不安

しかしその場合、妻はどうする?

私の甲斐性がないのだから、夫婦関係を維持することはできないだろう。

もう正攻法での中途入社は望めない。

アルバイトをしながら契約社員なり正社員登用の道を探っていくしていくしかないのだろう。

少なくとも3,4年前まではもっとマシな道を歩いていたつもりだが、どうしてこうなったという思いが頭の中をグルグル回っている。

絵にかいたような転落人生だ。

止まない雨はないというが、本当に止むのか?

そもそも安定した収入があった時代は、雨雲の中にわずかにある晴れ間にすぎなかったのではないか?

週刊誌のこういった記事を見てしまうと、マイナス思考が止まらなくなってしまう。

コンビニになんか行くんじゃなかったと後悔してしまった。

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それでも生きていく

そんな絶望のコンビニ帰り、色々な人とすれ違った。
すれ違った人の数だけ人生がある。

そう思うと、このおじいちゃんはどんな仕事をしてきたのだろう、このおばさんはどんな学生時代を過ごしたのだろうと興味がわいてくる。

私がこんなふうに考えるようになったのは「家ついて行っていいですか」というTV番組を見てからだ。

この番組の内容はこうだ。

終電を逃した人に声を掛けて、自宅までのタクシー代を番組が支払う代わりに家まで付いていっていいかと持ち掛けるのだ。

OKが出れば、その人の自宅で、これまでの人生をインタビューするというものだ。

私は、この番組が深夜枠で放送されていたころから楽しみに見ていた。

多少の脚色はあるかもしれないが、色々な人の人生が垣間見れてとても興味深い。

一見、こわもてのように見える人が実はそうではなかったり、派手な遊び人のように見える人が実は深刻な事情を抱えていたり、色々な人生があるものだ。

これまで見たなかで印象に残っているのが、一見真面目そうな人の自宅に付いていったときのものだった。

どこにでもいそうなサラリーマンといった外見だったが、昔はいわゆるやんちゃをしていたこともあったらしい。

しかし、離婚や両親との死別がきっかけとなって、今はまじめに働いているというものだった。

外見はまじめそうで、話し方もきちんとしており、そんな過去があるようには全く見えない。

人間、変われば変わるものだ。

順風満帆に見える人でもきっと、そこに至るまでには紆余曲折があるのだろう。

だからこそ自分も頑張らなければと思える。
とても素敵な番組だ。

普段はネガティブ思考に陥りがちな私なので、この日のコンビニでの出来事のように、落ち込んだり悩んだりすることの方が多い。

前向きな気持ちを維持できるわけではない。

だが、落ち込むたびにこういった番組を観ながらモチベーションをあげて、また前を向いていきたい。

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