ここまでのおさらいと今回のお話
A社の筆記試験の結果は合格者にのみ電話連絡ということだった(回顧録-16を参照)。
過度な期待は禁物だが、やはり気になってしまう。
そして、2日経っても3日経っても連絡が来ることはなかった。
やはりダメだったかという思いが頭をよぎった。
そんなとき、一本の電話がかかってきた。
この電話ははたして、待ち望んでいた相手からの連絡だろうか?
40代無職中年男に連絡は来るのか?
スマホを肌身離さず離さず持ち歩き、いつでも電話に出られるようにしていた。
もちろん、サイレントではなく音声が鳴るようにして。
私は気を紛らわすために、様々な媒体の求人に応募したり、図書館で勉強したりしていた。
そして待つこと4日目。
「やっぱりだめか…」と諦めかけていたときだった。
図書館からの帰り道、ついに着信がきた!
しかし残念ながら、その電話は母親からのものだった。
転職活動がどうなっているかを心配して電話してきただけだった。簡単に今の状況を報告し、こちらは元気でやっていることを告げて電話を切った。
息子を心配する母親の気持ちはよく分かる。早く安心させたい。
その5分後、またしても着信アリ。
電話がかかってくると、「もしかして応募先企業からではないか?」と胸がバクバクする。
無職にありがちな光景だ。
ただ、さっきの電話は母親からのものだったし、直後のこの着信もきっと母親からだ。
言い忘れたことでもあるのかと思い、スマホをポケットから取り出すと、画面にはA社の電話番号が表示されていた。
誤操作で電話を切らないよう慎重にボタンを操作して電話に出る。
少し声が上ずっていたかもしれない。
それは、待ち望んでいた筆記試験通過の連絡だった!
面接に最も効果的な対策とは?
次は本社で最終面接を行うという。
詳しい時間と場所の説明を受けた私は、道路の脇に自転車を止め、すぐさまメモした。
これでいよいよ、本丸に乗り込んで最後の決戦ということになる。
喜び勇んで帰宅し、そのことを妻にメールで伝えると、まるで内定が取れたかのように喜んでくれた。
次の面接をクリアしさえすれば、この忌まわしい無職から脱出することができる。
しかし、緊張しすぎてしまうことが面接の難点だ。
ましてや、私のように再就職に焦っている人なら当然だ。
残念ながら特効薬はない。
だからこそ、何度も何度も練習を繰り返すしかないのだ。
考えられる手段としては模擬面接だ。
想定問答集を作り、それを徹底的に頭に叩き込むことにした。
とっておきの面接練習方法
そこで真っ先に頭に浮かんだのがハローワーク。
たしか、ハローワークでは模擬面接をやってくれたはずだ。ここは頼るしかない。
多少、興奮気味に帰宅し、さっそく模擬面接の予約をとるためハローワークに電話してみた。
だが、利用希望者が多く順番待ちの状態だという。
これでは本番の面接に間に合いそうにない…困った…
しかし、面接の練習は絶対に一回くらいはやってほうがいい。
そこでどうしようかしばらく考えた。
年齢的にも面接官と同じくらいで、なおかつ緊張感をもって練習できると相手…いた!
まさにうってつけの人が身近にいた。
すぐに電話して、その人とコンタクトを取ってみることにした。
模擬面接にピッタリの人物とは?意外にも身近にいた!そして模擬面接の成果を活かすことができるのか?