ここまでのおさらいと今回のお話
前日の会社説明会が終わり(回顧録-23を参照)、いよいよ筆記試験と面接が行われた。
実施される筆記試験の主な内容は数的推理だ。
せっかく書類選考が通過したのだから、なんとしてもこのチャンスをつかみ取りたい。
一刻も早く無職という暗く長いトンネルから抜け出したいのだ。
しかし、私の努力もむなしく今のところ結果は出ていない。
ここに40代無職の戦いがはじまった。
筆記&面接試験の当日
以前にも同じような内容の筆記試験を受験したことがあるので(回顧録-16を参照)、ある程度の対策はできていた。
ただ、念には念を入れて、手持ちのSPI問題集を再度やり込んだ。これでダメなら諦めるしかない。
そう思ってはいるものの、「この対策で方向性は間違っていないか?」ということが頭をよぎり、毎回不安になってしまう。
なにせ、間違った方向に突っ走ってしまうと、無駄に時間だけを浪費してしまい、目も当てられない結果となる。
しかし、この会社の筆記試験に関する情報がほとんどない以上は、どうしようもない。それは私だけでなく、ほかの受験者も同様だ。
そう思うと、少しは気分が和らぐ気がした。
さて、私が実際に行った対策方法はというと、まず解法パターンを頭に入れ、速く正確に計算できるよう訓練した。こういう時はとにかく量をこなすに限る。
解法パターンといっても大学入試のような数学的なものではない。
流水算、鶴亀算、年齢あてなどの論理パズルのような問題だ。
中学生の教科書レベルが理解できていれば問題ない。
面接対策にしても、キーワードはしっかりと頭に入れたので、あとはその場でつなぎ合わせるだけだ(転職回顧録-22を参照)。
これが自分なりに見つけた面接の極意だ。
また、これまで数回ほど本番の面接を経験してきたので、十分場慣れしたはず。やることはやったという自信をもって会場に向かった。
電車に乗ること約1時間。開始15分前に到着した。
会場にはすでに30~40人ほどの受験者がいた。
説明会の参加人数とほぼ同じだ。
これがおおよそのライバルの数だろう。
試験はそこそこの出来栄え
試験時間は1時間だ。
試験開始が告げられ、受験生が一斉に鉛筆を動かす。
この企業への志望度は非常に高かった。
どうしてもここに入りたいという思いからか、緊張のため手が震えた。
最初はうまく文字が書けなかったが、2,3分もすると落ち着いてきた。
試験対策を十分にやった甲斐もあり、これまでよりも比較的スムーズに解答することができた。
満点ではないにしろ、少なくとも及第点には達している手応えはある。
そして、筆記は終わり、次は面接だ。
特に休憩時間はなく、その場で待機したまま自分の名前が呼ばれるのを待つ。
受験者の名前が一人また一人と呼ばれ、数か所設けられた個別ブースに入っていく。
いよいよ私の番が来た。
ブースの中には3人の面接官が待っており、まずは定番の内容が質問された。
その後、すこし変化のある内容が質問された。
それは、もし私がプロジェクトリーダーとなった場合の仕事の進め方についてだった。
変化のある面白い質問
そこで私は、かつての上司の仕事ぶりを思い出しながらこう答えた。
「二歩先の展開を数パターンを想定し、それに向けた準備と調整をします」
淡々とした雰囲気のなかで面接が行われたため、面接官の表情からは、この回答が好印象を与えたのかどうかを読み取ることはできなかった。
こうして試験の全日程が終了した。
結果は後日連絡するという。
受付の女性に会釈をしてから試験会場を後にした。
準備は万端だったものの、かなり緊張していたので試験終了後はクタクタだった。
私は会場から少し離れた喫茶店で一息ついた後、帰りにラーメン屋に立ち寄り、恒例の一人打ち上げを行った。
入社試験の結果報告!はたして無職の努力は報われるのか?