【無職中年男は再就職できるのか? 転職回顧録-54】工場アルバイトの派遣切りにあった。派遣生活はやはり不安定だった。

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工場でのアルバイトにも少しづつ慣れてきた

私の班は全部で約10人から構成されており、そのほとんどが自分よりも年上のおばちゃんだ。

みな気さくな人たちで、休憩時間に声をかけてくれたり、おやつとして持参したお菓子を分けてくれる。

そのお返しとして私も、近所のスーパーで買ってきたお徳用お菓子パックを配ったりしていた。

こうしたコミュニケーションは、円滑な人間関係の構築に欠かせない。

さて、私は普段、自分の素性をできるだけ隠して生活しているが、ここではそんな気苦労は無用だった。

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働き盛りの中年男がアルバイトしているので、何かしらの訳があることは暗黙の了解で分かっているはずだからだ。なので、無職であることを堂々と公言していた。

また、私が掛け持ちで夕方から塾講師として働いていることを話すと、面白がって聞いてくれた。

私は、同じ班の60代後半のSさんという男性とよく話すようになった。

仕事を定年退職して暇を持て余しており、お小遣い稼ぎのためにここで働いているらしい。

息子さんも独立して孫もおり、悠々自適とまではいかないが、比較的ノンビリ過ごしているということだった。

その息子さんと私が同じくらいの年齢なので、親近感を持ってくれていた。

冗談を交わしながらも私の身の上のことも心配してくれており、とてもかわいがってくれていた。

そんなこともあり、ここでの仕事にストレスは全くなかった。いい職場だった。

こんな人たちに囲まれて働いていたわけだが、なかにはまだ20代の人達もいた。

聞けば、就職活動中というわけでもなく、いわゆるフリーターだそうだ。正直、非常にもったいないと思う。

就職や転職において、若さは最大の武器だ。それを無駄にしてほしくはない。

私の口からそんなことを話すことはしなかったが、私以外の年長者たちもみな彼らを心配していた。

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きっと私が想像している以上に、アルバイトで生計を立てている若年フリーターは多いのだと思う。

働いているときは気付きもしなかったが、いったん正社員というレールから外れてアルバイト生活に堕ちてしまうと、今まで見えなかった景色が見えてくるようになる。

ところで、このアルバイトは一ヶ月の期間限定だった。

つまり、せっかく仲良くなれたこの人達と働けるのもその間だけだ。

いつものように働いていたところ、派遣会社の社員から声を掛けられた

仕事が終わったら会議室に来てほしいということだった。

いつものとおり作業が終わり、着替えてから会議室へ入ると、そこにはすでに数名のアルバイトの人たちがいて、派遣会社の社員と面談をしていた。

面談している人は皆、どこかで見かけたことのある人達ばかりだ。

そして私の番になり、難しい顔をした派遣会社の社員からこう告げられた
「このお仕事はあと3日でおしまいになります。」

この仕事をはじめてまだ一か月も経っていないというのに…

この派遣会社に登録した際、期間終了前に仕事が終わる可能性があるとの説明は受けていたが、この案件に関してはおそらく大丈夫ではないかということだった。

しかし、他の派遣会社とのパワーバランスや減産などで、その状況が変わったらしい。

これが噂の派遣切りというやつか。

面談がある時点で嫌な予感はしていたが、それが現実のものとなってしまった。

ただ、私としても「はいそうですか」と簡単に引き下がるわけにはいかない。

ここでの仕事は、塾講師とのダブルワークをしていくうえで最適な条件がそろっているのだ。

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他に仕事はないか聞いてみると、同じ工場内で他の仕事があるという。
私は迷わずその仕事を紹介してもらうことにした。

今回の一件で派遣の仕事はやはり不安定であることを実感した。
安定した生活を送るためにも、一日でも早く社会復帰しなければならない。

その後の塾での仕事を終えて帰宅したあと、私より遅く帰ってきた妻に派遣切りにあったことを話した。

少し不安な表情を浮かべていたが、違う仕事を紹介してもらえることになったので、少し安堵の表情を浮かべていた。

おそらく妻は、私以上に今の生活に不安を抱いているに違いない。
本当に申し訳なく思った。

そろそろ年末が近づいてきていた。
なんとか年は越せそうだが、それ以降は依然として先行き不透明な状況が続いていた。(回顧録-55へ続く)

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