【無職中年男は再就職できるのか? 転職回顧録-55】ダブルワークで働く塾講師アルバイト。この契約も切られてしまうのか?

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翌日も工場へ向かった

更衣室で作業着に着替えていると、Sさん(回顧録-54を参照)がやってきた。
私のことを気にかけてくれており、「奥さんのためにも早く転職先を見つけなさい」と心配してくれる優しい人だ。

Sさんはここでの勤務歴も長いことから、色々と裏事情にも詳しかった。

そこで、派遣切りにあった件を話すと、班のみんなが同じことを言われたということがわかった。
ここではよくあることらしい。

どうやら、同じ工場内で色々な仕事場を転々とすることになるため、あちこちに知り合いができるそうだ。

次も同じ場所で働けるといいね、などと話しながら一緒に仕事へ向かった。

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そして、就業後、派遣会社の社員に次の仕事の件について尋ねてみると、この工場内で別の作業案件があるので、その仕事を紹介してくれることになった。

Sさんの言っていたとおりだった。

時給は今時だが就業時間が少しだけ後ろにズレるということだったが、まだ許容範囲内だった。

私のような無職中年男にとって時給が下がるのは非常に痛手だが、ダブルワークをするためにはその条件を飲まざるを得なかった…

派遣を続けていると、こうした負のスパイラルに巻き込まれるのだろう。

そして工場での仕事を終え、次の職場である塾へ向かった。

さて、この頃の塾での仕事は順調そのものだった。

担当生徒の顔と名前はもちろん一致しており、個々の性格も把握していたし、生徒も私になついてくれていた。

また、塾講師の仕事は派遣切りとは無縁と思っていただけに、安心していた。

塾長から会議室に呼び出された。工場に続いて塾でも契約を切られるのか!?

その日の授業が終わり、控室で一息ついていると、塾長から声を掛けられた。

前日の派遣切りの一件もあり(回顧録-54を参照)、別室に呼び出されるたびに嫌な予感がしていたが、この呼び出しは別に契約打ち切りの話ではなかった。

なんでも、この冬に勉強合宿を行うので講師として帯同してほしいということだった。

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塾の規模を拡大していくための初の試みだという。

しかし私は、この勉強合宿というものが嫌いだった。

必勝鉢巻を頭に巻いて、先生と生徒が合格するぞと叫んでいるシーンをニュースでよく見るたびに寒気がした。

もし自分に子供がいたしたら、そんなことは絶対にさせたくなかった。

ここできっぱりと断れればよかったのだが、提示された日給がとても魅力的だった。

日給1万5000円だ。交通費、宿泊費、食費はもちろん塾の負担。飯などはビュッフェ方式で食べ放題だ。

なんならタッパーで余ったおかずを持ち帰りたい。

迷うことなくその場で快諾した。ポリシーで飯は食えない。

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ちなみに、合宿で使用するホテルは、ここからバスで1時間ほどのところだ。
冬場は閑散期なので割安で泊まることができるらしい。

帰宅してから子供一人あたりの参加費や必要経費を基に、塾の懐に入る金額を計算してみた。

数百万単位の額にはなる。

合宿でかなりの利益が出る。
塾経営者にとって勉強合宿はなかなかおいしいビジネスだ。

それならもうちょっと時給に還元してくれもいいのに…

なんにせよ、思いがけず臨時収入の話が舞い込んだため、その日は上機嫌で帰路についた。(回顧録-56へ続く)

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