無職40代男の唯一の友人、その後。【転職回顧録-外伝-7/7 ※最終回】

パワハラされた会社のことは思い出したくもなかったが、一つだけ気がかりなことがあった。

それは同僚の熊さんのことだ。

私が辞めたポストに熊さんが収まりはしたものの、はたしてその後、彼がどうしているか気になっていた。

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もしかして私のように苦境に立たされているのだろうか?

その後の熊さん

アルバイトを辞めて少し放心状態だったが、私には確かめたいことが一つあった。

それは熊さんのことだ。

私と熊さんの関係を説明すると、我々は同時期に中途入社した同期にあたる(【転職回顧録-管理職編1/16】【転職回顧録-管理職編16/16】を参照)。

しかもお互い、違う部署での管理職としての採用だった。

しかし、社長からのパワハラが原因で会社を辞めた私のポストには、別部署の熊さんが着任することになった。

つまり、私の後任が彼ということだ。

結果的に、私のポストを熊さんに押し付けてしまったことになり、そのことがずっと気になっていたのだ。

彼はまだあの伏魔殿のなかで戦っているのだろうか。

もしそうだとしたら、今はどうなっているのだろう、メンタルを病んでしまったのではないか、体調は大丈夫なのだろうか…

しかし、私が会社を辞めてからしばらくの間は彼からの連絡はなかったし、こちらからもメールしたりすることはなく、時間だけが過ぎていった。

そんななか、遂に、熊さんから「飲みに行こう」と連絡が来た。
おそらく、彼も私の近況が気になっていたのだろう。

待ち合わせ場所には彼がすでに待っていた。

昔はあの会社の近くの喫茶店でコーヒーを飲みながら話し込んだものだが、その日は初めて彼と居酒屋に入った。

席に座ってビールを飲みながら、明るい店内であらためて熊さんの顔を見ると、少しやつれた感じがする。

この日はただ酒を飲むためだけに会いにきたわけではない。

私が聞きたかったことはただ一つ。それは、熊さんの近況だ。

そこでズバリ聞いてみることにした。

「熊さん、その後どうですか?」

すると、熊さんは少し安堵したような表情でこう答えた。
「俺も来月、辞めることにしたよ」

やはりだ。

あの環境に耐えられる人はそうはいない。
続けられたとしても、いつかは確実に鬱になってしまうだろう。

詳しい話を聞いてみると、熊さんが辞めることになった直接の理由はやはり、社長からの激しいパワハラだった。

私はこのパワハラについて熊さんにたびたび相談していたが、これほどまでとは想像していなかったらしい。

そして、これからは自営業者として仕事をしていくという。
組織のなかで働くことにホトホト嫌気がさしたのだそうだ。

私も似たような状況だ。
お互い、不安定な人生を送ることになるが、仲間ができたようで少し嬉しかった。

この後はあの社長の悪口大会となった。

やや影のあった表情が少し和らいだように見えた。

陰口は決していいことではないが、時にはこのくらいのガス抜きが必要なのだ。
私もこうして人と話すことで少しは気が楽になった。

固い内容から冗談まで、いろんなことを話した。大いに飲み、大いに食べ、大いに笑った。

4時間ほどで熊さんと別れ、帰り道の電車に乗っていると、私はこれからどうやって生きていこうかとの思いが頭を駆け巡る。

こうも転職回数が多いと、もう再就職は無理かもしれない。

車窓に映る自分の顔を見ながら、色々と考えこんでしまった。(転職回顧録-外伝 終わり)

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無職な私のその後は、【その後の無職】シリーズにアップしていきます。

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