【転職回顧録-外伝最終回】40代無職男。これが最後の勤務。

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全ての業務を箇条書きにしたうえで、主要な業務はAさんと一緒に行った。
形式的ではあるかもしれないが、退職までの時間が迫っているため、これ以上は時間的に無理だった。

引継ぎするたびに思うが、あれもこれもしようと思っていても、どうしても時間が足りない。今回もそうだった。

そんな感じで毎日があわただしく過ぎ、とうとう最終出勤日を迎えた。
これまで色々と大変なこともあったが、これで終わりかと思うと寂しいような晴れやかなような、なんともいえない複雑な心境だ。

私にとっては最終日だが、会社にとっては通常の営業日と何ら変わりない。
その日も、毎日行われている定例進捗報告会に出席した。

引継ぎをしながらも、進捗に遅れを出さないように時には残業しながら今日まで頑張ってきた。
上司はそうした努力を見てくれていたようだ。
その努力に報いるかたちで会議の場でちょっとしたサプライズイベントをしてくれた。
会社の近くにあるケーキ屋で買ってきて送別の品をプレゼントしてくれたのだ。

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私の身分はたかがアルバイトだったが、社員と変わらぬ貢献をしてくれたと労いの言葉をかけてくれた。一番のプレゼントは正社員登用だったが、それが叶わなかったことはまあ仕方ない。
むしろ、私が自分で仕事をしていくという覚悟を後押ししてくれた形になったのだから。
今日からまた40代の無職中年男だ。

ありがたくプレゼントされたケーキを受け取り、私からも感謝の言葉を述べた。
もらったケーキは、その場にいる皆で食べることにした。
進捗会議という殺伐とした場であっても、たまにはこういうと機会があってもいいのかもしれない。

会議は無事に終わった。ここからは通常業務だ。
本来なら定時少し前に退社しすることが多いのだが、その日は少し例外だった。
それは残業が必要となってしまったからだ。

退職日なのに残業?とは思ったが、しょうがない。
サービス残業ではなくきっちり残業代は出るし、これが最後のお勤めというつもりで頑張り、やらなければいけない業務をなんとかこなした。2時間ほどで作業は完了した。これで本当に最後だ。

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毎日この大きなビルに出勤するのも今日で最後だ。出口で守衛さんに挨拶をして駅に向かう。なんともいえない感じだ。
また無職に戻ってしまったという実感がまだない。

さて、今日は妻にピアスでも買って帰ろう。
高いものは買えないが、いつも心配をかけているのでせめてもの罪滅ぼしだ。

帰りの電車の中で窓の外を見ると、桜がちらほら咲き始めている。
思えば、この時期はいつも無職かアルバイトだった。
妻や実家の両親には大きな心配をかけてしまっている。

なんでこんな人生になってしまったのか。きっとどこかで選択肢を誤ったのだ。
もう取り返しがつかないのか、いや、始まりはこれからなのか。

ふと周りを見渡してみた。
今、この電車にいる乗客はどんな人生を歩んできたのだろうか。
私と一緒でフリーターもいるだろうし、ちゃんと正社員で頑張っている人もいるのだろう。

明日からはどう過ごそうか。
少し休んでから再起を図ることにしよう。

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