ここまでのおさらいと今回のお話
思いがけずアルバイトリーダーを拝命した私。
クセの強いメンバーと衝突しながらもなんとか仕事をこなしていたが、色々な理由により、これ以上のアルバイト契約は更新しないことにした。
しかしそうなると私の後任が必要となる。
上司から私の意見も求められたのでそれを伝えておいたが、それがどのくらい人事に影響するのかは分からない。
色々な人の思惑が交錯するなか、はたして、次のリーダーには誰が指名されるのか!?
アルバイトの契約更新をしなかった40代無職男
次の更新まではあと一ヶ月ほどなので、その間に後任のリーダーを決めてほしいと上司に伝えた。
一応、慰留はあったものの最終的には了承してくれた。
そうなると、困るのは上司の方だった。なぜなら次のリーダの適任者がいなかったからだ。
勤務歴の長さからすれば、次のリーダ―は先輩三人のうちいずれかということになるが、残念なことに、この三人に対する上層部からの評価はあまり高くないようだった。
どうやら、雑な作業だったり、指示通りにしか動けないことがその原因らしい。
でもこの評価は決して間違いではなく、私が彼らに抱いていた印象もまさに同じだった。
私がいきなりリーダーになったのは、そのあたりが大きく影響していたようだった。
かといって、新たに人を採用する雇うというような時間的余裕はない。
結局、社歴を優先的に考慮した結果、Aさんが次期リーダーに選出されることになった。
だれが次期リーダにふさわしいのか!?
この人事が決まった時、Aさんは随分と喜んでいるように見えた。
彼からすれば、新参者の私がリーダーになったのは、内心面白くはなかったのだろう。
また、私と同じように、今回の昇進で契約社員や正社員登用の道が開けてきたと思ったのではないだろうか。
そして、ここからAさんへの引継ぎが始まることになる。
そもそも私がリーダーの引継ぎを受けた際、書類らしきものは皆無で、レクチャー内容は非常に断片的なものだったので、ほとんど手探り状態だった。
後で分からないことが出てきたときは前任者に電話で質問したり、過去の資料を掘り返しながら必死だった。
しかし、その引継ぎではあまりに雑すぎるし、手戻りも多い。
そんな経験を踏まえ、私は口頭だけでなく、そこで時間の許す限り、自作の作業手順書をもとにリーダー業務を引き継ぐことにした。
しかし、それには大きな問題点があった。それはAさんの仕事の雑さとオフィスソフトのスキルがあまりに低いことだ。仕事は確かに早いのだが、あまりにおおざっぱだ。
そんなこともあって、伝えることはできるが、彼がその内容を実践できるかどうか非常に心配だった。
Aさんで大丈夫か!?
さて、Aさんの仕事内容がどのように雑なのかというと、まず、数字の扱いが適当だ。
彼から提出された資料を確認してみると、殆どの場合においてデータの整合性が取れない。
記録漏れがあったり、不必要なデータが入っていたり…そういったことが日常茶飯事なのだ。
Aさんの雑な仕事の原因には大きく二つあると思われた。
まず一つ目は、エクセルに関する知識や各種ツールの操作への理解が不十分なこと。なにせCSVがなんなのか、そして簡単な関数さえも理解できていない。
重要なポイントは何度も伝えたはずなのだが、自主的に勉強して理解しようとする気配はない。
二つ目は、後工程を考慮して丁寧に仕事をするという姿勢や、確認するという概念が欠けていること。
とりあえず数字さえ入っていれば、あとはリーダーが何とかしてくれるという意思が透けて見える。
いくら指摘してもほとんど改善されなかったので、これは性格のようなものなのかもしれない。
一事が万事こんな調子なので、もし今後なにかトラブルが発生したとき、Aさんで対応できるかどうか怪しい。
とても大きな不安が残る。上司にはそのことを伝えた。
すると、その上司もかなり不安な表情をしていた。
念のため、必要な対処法をドキュメントに残しつつAさんにレクチャーしたが、はたしてどれだけ役に立つのだろうか…
引継ぎ終了。Aさんが主導となっていよいよ業務本番を迎えた。はたして無事に仕事を終えることができるのか?