Aさん、仕事から逃げる。【転職回顧録-外伝4/7】

引継ぎを終え、Aさんが主導でリーダー業務を行うことになった。

念のため、私も横についてフォローしながらの作業になるが、あくまで私は補助。

はたして期限内に仕事を仕上げることができたのか?

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Aさんの仕事ぶり

そもそも、後から入社した私がリーダーに抜擢され、先輩であるAさんが私の後任というのも随分とおかしな話だ。

しかしそれにはやはり理由があった。それはAさんの仕事があまりに適当だったから。

そのため、こんなねじれた構造になってしまったのだ。

そんな仕事ぶりのAさんが緻密なデータ整理を行うことができるのか疑問だ。

上司にもそのことを伝えたが、どうやらこのまま頑張ってもらうようだ。
これが人材難というやつか…

ただ、Aさんが不真面目化というとそういうわけではない。むしろ真面目な方だと思う。

きっとこれまでは仕事でエクセルなどを使ったことがないだけなのだ(それはそれで驚きだが…)。

しかしいつまでも愚痴ってはいられないので、引継ぎをドンドン進めることにした。

分からないところで詰まっていては先に進まないので、とりあえず最後まで作業内容を説明する。
そして、また最初からそれを繰り返す。

こんな感じで何回も同じことを繰り返していれば、次第に要領をつかめてくるのではないかと考えたからだ。

確かに最初に比べれば多少はマシになったものの、残念なことに劇的な向上は見られなかった。

できる限りのことはやったのだから、現状はこのあたりが限界なのかもしれない。

Aさんによる作業は初の本番を迎えた

私がいつもやっている仕事のうち、データ集計を行ってもらうことになった。

この作業結果は、実際にクライアントへの納品書類のひとつとなる。

納期としては大体3~4日ほどだ。

もちろんAさん一人で作業を行うことはあまりに不安なので、私もそばで一緒に作業をチェックしていた。

一日目。
Aさんは余裕の表情だった。
なにせ隣には私がいるし、数日間の時間的余裕もあるからだ。

二日目。
少々焦りが出てきたものの、まだまだ余裕がありそうだった。

ペースが遅いと感じたが、そこはあまり口出しせず、いつまでにどれくらい仕上げていないといけないかということを口にするにとどめた。

三日目。
想定外の事態が起きた!

なんとAさんが仕事を休んだのだ!
奥さんが寝込んだのでその看病のためらしい。
奥さんの看病と言われればこちらとしては何も言えない…

これに焦ったのが私だ。
なにせ、期限まであと一日、よくて二日しかない。
にもかかわらず作業はさほど進んでいない。

しょうがなく、私が一心不乱でモノを仕上げ、なんとか間に合わせることができた。

四日目。
Aさんが平謝りで出社してきた。

表面上はAさんに「奥さん大丈夫だったんですか?」とは言ったものの、私は内心、こう考えていた。
「さては逃げたな?」

うがった見方かもしれないが、慣れない仕事の期日が迫りどうしようもなくなったので、私に丸投げしたのではないかと考えている。

おそらくこれが休んだ真相なのは間違いない。

とまぁ色々とあったが、一通りの引継ぎは終わった。
あとは数日あればすぐに伝達できることばかりだ。

それにしても、本当にこの人で大丈夫か不安が尽きない。

次回以降の作業では、私はもう会社にいないのだ。

作業内容は上司にも伝えているのだが、上司にはもっと他の仕事があるのだから、細かい作業のやり方までは把握できていないだろう。

ここからは本当にAさん頼みなのだ。

私が退職してもAさんから質問の電話がかかってこないことを祈るばかりだ。
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◆ 転職回顧録-外伝5/7へ続く↓↓

退職日を迎えた。そんな私にちょっとしたサプライズがあった。

これが最後の勤務【転職回顧録-外伝5/7】
帰りの電車の中で窓の外を見ると、桜がちらほら咲き始めていた。思えば、この時期はいつも無職かアルバイトだった。なんでこんな人生になってしまったのか。きっとどこかで選択肢を誤ったのだ。もう取り返しがつかないのか、いや、始まりはこれからなのか。
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