【転職回顧録-外伝2】熊さんその後。

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【転職回顧録-80】から【転職回顧録-95】まで、私のパワハラ体験談を紹介した。

その会社にあって私の唯一の戦友といえる熊さんのその後を話していきたい。

色々とゴタゴタして辞めた会社だが、唯一気がかりだったのは、熊さんのことだった。
私の後任には熊さんが就いていただけに、その後のことが気になっていた。

はたして彼はまだあの伏魔殿のなかで戦っているのだろうか。
もしそうだとしたら、今はどうなっているのだろう、メンタルを病んでしまったのではないか、体調は大丈夫なのだろうか・・・

しかし、しばらくの間は彼からの連絡もなかったし、こちらからもメールしたりすることはなく、時間だけが過ぎていった。

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そんななか、遂に、熊さんから「飲みに行こう」と連絡が来た。
おそらく、彼も彼なりに私の近況が気になっていたのだろう。

待ち合わせ場所には彼がすでに待っていた。
久々に見る彼は少し痩せていたようにみえた。

それまでは、見るのも嫌なあの会社の近くの喫茶店でコーヒーを飲みながら話し込んだものだが、その日は初めて彼と居酒屋に入った。
席に着き、注文したビールを飲みながら、明るい店内であらためて熊さんの顔を見ると、少しやつれた感じがする。

この日はただ酒を飲みたいだけで会ったわけではない。
もっとも聞きたいことはただ一つ。それは、互いの近況だ。
そこで私からズバリ聞いてみることにした。

「熊さん、その後どうですか?」

すると、熊さんは少し安堵したような表情でこう答えた。
「俺も来月、辞めることにしたよ」

やはりだ。
あの環境に耐えられる人はそうはいない。
続けられたとしても、確実に鬱を患うだろう。

知らない人のために、私と熊さんの関係を簡単に説明すると、私と熊さんは同じ時期に中途入社としたいわば同期にあたる。お互い、違う部署での管理職だった。
しかし、社長からのパワハラが原因で私が辞めたポストの後任には、別部署の熊さんが着任した。つまり、私の後任が彼ということだ。

詳しい話を聞いてみると、熊さんが辞める直接的な理由はやはり、社長からの激しいパワハラだそうだ。
間接的に私が熊さんにパワハラポストを押し付けたようで、ずっと気になっていたのだ。
私はこのパワハラについて熊さんにたびたび相談していたが、これほどまでに罵声を浴びせられるようとは想像していなかったということだ。

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そして、これからは自営業者として仕事をしていくという。
組織のなかで働くことにホトホト嫌気がさしたのだそうだ。

私も似たような状況だ。
お互い、なかなか不安定な人生を送ることになるが、仲間ができたようで少し嬉しかった。

この話をしたおかげで熊さんも肩の荷が下りたようで、やや影があった表情が少し和らいだように見えた。
愚痴を延々と垂れ流すのは好ましくはないが、きっと人間は少しくらいのガス抜きが必要なのだ。私もこうして人と話すことで少しは気が楽になった。
固い内容から冗談まで、いろんなことを話した。大いに飲み、大いに食べ、大いに笑った。

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この飲み会が、これからの生活に向けた解決につながることはないが、気分転換を図ることができた。

4時間ほどで熊さんと別れ、帰り道の電車に乗っていると、私はこれからどうやって生きていこうかとの思いが頭を駆け巡る。
もう会社人としては働くことはできないだろう。私ももう会社で働くのは嫌だ。そうだとすると、残りは自営しかない。
しかし、本当にそんなことが自分にできるのか、不安でいっぱいだ。

車窓に映る自分の顔を見ながら、色々と考えることの多い帰り道となった。

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