Cafe de 無職

~40代、50代の無職が集う場所~

転職回顧録-63

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合宿最終日。

長いようで短かった合宿も今日で終わりだ。
大きなトラブルもなく、皆、なんとか無事で乗り切ってくれた。
最近の小中学生は大変だと思うと同時に、ものすごく頑張っていると思う。

はたしてそれに見合うだけの授業を彼らに提供できたかどうか、それは帰宅後に振り返ろうと思った。

この日は最終日というだけあって、詰め込むだけ詰め込むという鬼のようなスケジュールが組まれていた。
私も、用意した授業用ノート以上の内容を解説を盛り込み、少しでも今後の理解の助けになるよう精一杯の授業を行った。

授業→小テストのサイクルを三回ほど繰り返し、ついに最後の授業が終わった。
するとその瞬間、予期せず、生徒から拍手が沸き上がった。
これはとてもうれしかった。
少なくとも、彼らが満足できる授業を提供できたのだろう。
講師冥利に尽きる。

特に、理解度に不安がある生徒からは直接お礼を言ってもらえた。
普段はなかなか授業が理解できないけれど、合宿では丁寧に教えてもらえたことがとても嬉しかったそうだ。
きっと、彼も彼なりにとても苦しかったのだろう。
この合宿経験が、授業理解度の向上に少しでも寄与してくれればと願った。

そして、この日の昼食時、講師による生徒への激励メッセージを披露することになった。多くの先生は数か月後に控えている入試にメッセージ関する内容が多かったが、果たして、数年後、どれくらいの生徒がこメッセージを憶えてくれているだろうか。

だからこそ私は、違う内容を話そうと考えた。
それは社会人としての現実だ。これは40代無職の私にしかできない話だ。

一般には偏差値の良い大学に行くことが安定した将来につながると言われている。それは真実だが、それだけでは不十分で、一貫したキャリアを積んでいくことの大切さを簡潔に話した。これは私の実体験によるもので、おそらく、この内容に真実だと考えている。
生徒たちも興味をもって聞いてくれた。
子供には無限の可能性があると聞かされている彼らにとっては新鮮だったのかもしれない。

そして、夕方、全日程が終了した。
みんなに帰りの準備を済ませるよう指示し、ホテル前に待機していたバスに乗り込む。その子供たちの顔にも笑顔があふれていた。
充実感や達成感で一杯なのだろう。本当によく頑張った。

帰りのバスでは、みんなぐったりした様子だった。
三泊四日の詰め込み授業の日々ではさすがに疲労がたまっていたのだろう。ほとんどの生徒がぐっすりと眠っていた。
しかし、驚くことに数名の生徒はこの後、別の塾の授業に出席するのだという。おそろしいほどの体力と気力だ。
きっとこういう子たちは東大や京大などを目指すのではないだろうか。
将来の日本を牽引する人材に育ってほしいものだ。
間違えても、私のような無職の人間にならないよう祈るばかりだ。

やがて、バスは解散場所に到着した。
迎えに来ていた保護者達に子供たちを引き渡し、我々の役目は終わった。
みんなホっとしたような表情を浮かべて、家族との久しぶりの再会を喜んでいる。

やがて、最後の家族が変えると、私も大きなキャリーバッグを引きずり帰路に付いた。ふと周りを見渡すと、年末の買い物をしている親子連れが多く見受けられた。

それを見ていると、40代無職という現実に引き戻される。
この時期だから、応募していた会社からの連絡はないだろう。
今、私の手元にあるのは授業の小道具と着替えだけだ。
過密日程を乗り越えた心地よい疲労感とこれからの不安感で複雑な感情が渦巻いていた。(回顧録-64へ続く)

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