Cafe de 無職

~40代、50代の無職が集う場所~

転職回顧録-22

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F社の代表は大柄で物静かな印象だった。

部屋の広さの都合上、先ほどの試験は一つの長机に全員が座って受験していた。
代表はその机の上座に座り、簡単な自己紹介を行った。

その後、代表は一枚の紙を全員に配り始めた。
会社説明でも始まるかと思っていたが、そうではなかった。
配布した紙をもとに自身のサクセスストーリーについて熱く語りはじめたのだ。

こちらとしては事前に事業内容を調べてあるので会社説明はなくてもよかったが、その話にはあまり興味がなかった。
しかし応募者たるもの、いかにも傾聴しているように見せなければいけない。
資料は差し上げますというのでもらったが、その後は資料に目を通していない。

話し始めて20分。やっと終わった。この後、個々に面接を行うという。

正直なところかなり疲れていたが帰るわけにもいかない。
15分ほど待っていると私の名前が呼ばれ別の部屋に通され、別の担当者による面接が始まった。

この面接官とは年齢が近かったこともあり話が盛り上がった。E社での面接の雰囲気とは大違いだ(転職回顧録-19を参照)。
私は、自分が応募職種の未経験者であることや決して若くはないことなど、自分が抱えている不安を正直に話した。
すると、それでも大丈夫だと笑顔を交えて話してくれたので、その後は安心して話をすることができた。

ここで私は、面接における自分自身の受け答えの変化に気づいた。
以前は想定問答集を暗記し、一言一句、間違えないように思い出しながら話していた。だけれどもE社での面接には見事失敗した。
どんなに文面を完璧に覚えてもスムーズには話せないということが身に染みて分かった。

それならばと、キーワードだけを覚えておいて、あとは現場でそれらをつなぎ合わせて話すようにしてみた。するとスムーズにに話すことができるようになったのだ。

想定問答集に書いた細かな表現は再現できていないかもしれない。しかし、自然に話すことは、それによるマイナス面を補って余りあるほどにカバーできるのだ。
これは大きな発見だと思う。怪我の功名というやつだ。

そして、約20分ほどで面接は終わった。
手応えは決して悪くはない。
他の応募者と帰りのエレベーターが一緒になったが、特に会話もなく互いに1階で降り、帰路に付いた。

妻に電話をかけて今日の手ごたえを伝えると喜んでくれた。
こんな何気ないことがうれしい。
帰りに近くの駅で待ち合わせてご飯を食べに行くことになり、二人でささやかな打ち上げをした。(回顧録-23へ続く)

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