元無職の営業未経験者、荒らぶる【転職回顧録-31】

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そのトラブルというのは、新入社員の彼と先輩社員との口論だった。

どうやら、仕事の進め方を巡る認識の相違が原因ということだった。
お互い大人なので声を荒げることはなかったが、険悪な雰囲気が続いていたらしい。

ほどなく争いは収まったのだが、少し心配になった。
もしかして、前日に私と仕事の効率化について居酒屋で話をしたことがきっかけとなったのかもしれない。

その日の帰宅後、彼からメールが届いた。
会社のやり方がどうも合わないのでこの状態が続くようなら辞めるという。

私は彼に、もう少し我慢してみたらどうかということを伝えた。

せっかく再就職できたのだし、同期入社がいるだけでも心強い。
それに元無職同士として、これから励まし合いながらやっていけるはずだと。

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翌日、彼は何事もなかったかのように出社し普段と変わらず勤務していたが、翌月の下旬あたりから姿を見せなくなった。

聞けば退職したという。

これにはかなり驚いた。

詳しい理由は教えてもらえなかったが、おそらく私にメールしてきたように、仕事の進め方に納得がいかなかったのだろう。

私は非常に落胆した。
せっかく仲良くできる同期入社の友人ができたと思っていたのに…

私は暗い気持ちでその日一日を過ごした。

私はそろそろ、独り立ちの時をむかえていた

担当は23区の一部と都心近郊となった。
エリアとしてはかなり広い。

次の休日、私は少し大き目の鞄を購入することにした。
外回りには多くの資料を持っていくため、薄い鞄では入りきらないのだ。

少々値は張ったものの、これからの仕事のことを考え奮発することにした。

これなら客先からの急な資料の請求があってもその場ですぐに対応できる。
これからの仕事にむけて気合十分だった。

そして、いよいよ一人で客先回りをする日を迎えた。

事前に電話でアポイントを取得済だ。

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その会社の業種を考慮して需要のありそうなサービスを予測し、必要なパンフレットを用意して会社を出た。

最寄り駅のトイレで服装をチェックし、準備はバッチリだ。
約束の時間30分前にはその会社付近に到着した。

実はこの会社、事前にアポイントを取ろうと担当者に電話したとき、当初は色よい返事をもらえなかったが、なんとか時間を少しだけもらえることになった。

独り立ち初日にしてはなかなかハードな案件だ。

そんな事情があったため、下手な対応はできない。
話す内容と流れを頭の中で復習し、いざ出陣。

約束の時間5分前に受付に到着してインターホンで担当者を呼び出した。
応接室に通され、やや緊張して待っていると、私と同じくらいの年齢の担当者が部屋に入ってきた。

当初は私の訪問にあまり乗り気ではなかったが、話しているうちにお互い同じ趣味があることがわかり、そこからは話が盛り上がった。

この訪問では、ある作戦を立てて臨んでいた

今回の訪問の表向きは、既に利用してもらっている商品のアフターフォローの話だが、本当の狙いは別にある。

それは、新サービスの紹介だ。

徐々に論点をズラしていって、新サービスの紹介を行う。

その場ですぐ契約に結び付くことはないだろうが、興味を持ってもらえればそれでいいと考えていた。

いわゆる種まきだ。

なんとかパンフレットを受け取ってもらうことができ、当初の狙いとおりに話を進めることができた。

いい雰囲気のなか、新サービスの紹介もできたし、顔も覚えてもらうことができた。
一件目の仕事としては上出来だ。

営業未経験の元無職としては頑張った。

無事に最初の仕事を終えて

一息入れるため、近くの喫茶店で休憩をいれた。

次の訪問先は事前のアポイントを入れておらず、いわゆる飛び込みだった。
もちろん一人でやるのは初めてだ。

本当はこの日の外回りのために、一件目に訪問したの会社以外にもアポを取ろうと試みた。
しかし、電話した約10件全てに断られてしまったため、この後の訪問はすべて飛び込みでいくことに決めたのだ。

そんなにうまくはいかないものだ。

意を決して喫茶店を出る。

30分ほど歩いて、あらかじめ目星をつけていた飛び込み訪問先のインターフォンをおそるおそる押してみた。

出てきてくれた人に用件を告げ、担当者に取り次いでもらえるようお願いした。
しかし、あえなく却下。

忙しいから帰ってくれとけんもほろろの扱いだ。

忙しい中、どこの馬の骨ともわからない人間に時間を割くことなどできないのだ。
そして、ここからさらに3件連続で飛び込みを行い、いずれも同じように門前払いをくらうこととなった。

これで今日の予定は終了。
外回り件数は少ないが、一人立ちの初日ということで、訪問先の件数で少なくてもよいとの了解は上司から得ている。

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精神的にクタクタになりながら社に戻って日報を書き、その日の業務を終えた。

これからはしばらくこんな日が続くのだろう。

今日は一人での初外回りということもあり、いつも以上にくたびれた。

元無職の営業未経験の私は成果を出すことができるのか、お客さんと仲良くやっていくことができるのか。
不安は尽きない。

果たしてこの先、どんな展開が待っているのだろう。

期待と不安が入り混じった気持ちで帰宅した。(回顧録-32へ続く)

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