Cafe de 無職

~40代、50代の無職が集う場所~

転職回顧録-57

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ついに、派遣期間が前倒しとなった工場でのアルバイトが最終日となった(転職回顧録-55を参照)。
幸いにも、同じ工場内での新しい仕事を紹介してもらったので仕事が途切れることはなかったが、今働いているこの仲間達と離れるのが少し寂しかった。

その日のお昼休憩のとき、私と同様にここでの仕事が前倒しで終わろうとしている人たちの間でおやつの配り合いが始まっていた。
もちろん、私もその輪の中に加わった。

そのとき次の仕事の話をしていると、同じ場所で働く人が多いことが分かった。
これなら、また今までと同じような雰囲気で働くことができそうだ。

少し安心した。

いつものように夕方まで作業を行い、周りにお世話になりましたと簡単に挨拶を済ませてから工場を後にした。

そしてここからは塾に移動して、講師としての仕事が始まる。
工場で黙々とする仕事も好きだが、こうして人に何かを教える仕事も好きだ。

どちらも自分のペースで作業を進めることができるからだ。

いつものように数学と英語の授業を終え、講師控室で一息ついていると、高校生クラスの生徒が数学の質問にやって来た。
宿題でどうしても解けない問題あるので教えてほしいということだった。
私の担当は主に中学生だが、こうした高校生の質問も受け付けている。

その生徒は進学校に通ってはいるものの、成績はあまり良くない。
どうやら、勉強をサボっているうちに成績が下がってしまい、気が付くとそこから這い上がれなくなってしまったらしい。
そのため、難関校に合格するためではなく、学校の授業に付いていけるようにするためにこの塾に通っているのだそうだ。

質問を受ける際に色々と話を聞いていると、どうやら、学校の先生から大量に宿題を課されたものの全く解けず、途方に暮れていることが分かった。先生も意地悪で宿題を出しているわけではなく、彼の成績が一向に上がらないことを憂慮した結果だそうだ。

そこで、持ってきた宿題を見てみると、基本的な公式や定理を使った問題が、薄めのノート一冊分ほどあった。
コツコツやっていけば2週間ほどで終わりそうだが、もはや数学にアレルギーになってしまったこの生徒にはそれがとてつもなく大きな山に見えるのだろう。
正直なところ、この子にこれだけの分量をこなすのは酷かもしれない。

ということで、私が模範解答を作ることになった。

宿題をコピーして持ち帰り、帰宅後、毎日、その問題を解く。塾での授業が終わった後に、個別でその生徒に指導する。
私は常々、問題を解くときは解答は見ながらで構わないと言っていたので、自分が作成した解答を生徒にも渡していた。
しかし、それを丸写ししたものが学校に提出されるおそれがあったため、コピーできないよう加工しておいた。単に、家に置いてあった「未決済」という赤スタンプを解答のど真ん中に押しただけだが・・・

そんな日が続き、ある日、生徒の親から塾に差し入れが届けられた。
どうやら私へのお礼ということらしい。

私個人への贈り物の場合は丁重にお断りしていたのだが、塾への差し入れということなら問題ない。ありがたく頂戴し、講師全員に配って、私もそれをいただいた。
こうしたことも講師の役得かもしれない。

工場も塾講師も、予想外の出来事が起きるものだと実感した日だった。(回顧録-58へ続く)

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