最近、奨学金の返済に苦しむ人たちがニュースで取り上げられる機会が多くなった。
かくいう私も、月々の返済に苦しんでいる一人だ。
当初の計画では、あと3年ほどで完済予定だったが、勤め先の倒産などの事情で返済期間の猶予申請などを行いながらなんとか凌いできた。
そして現在はアルバイトなどをしながら、やっと全体の2/3ほどの金額を返してきた。
そんなパッとしない生活を続けていたところ、仕事の都合で上京してきた父を会う機会があり、私の苦境を率直に伝えた。別に奨学金を肩代わりしてほしいということを話したわけではない。
親は既婚者である私を心配しているだろうから、少しでも安心させようとして、月々の固定費や、それた支出に対してアルバイトからのどれくらいの収入があるか、あくまで現在の私の生活状況を伝えたつもりだった。
無職同然の低収入アルバイターであることには変わりないのだから、安心させるも何もないのは十分わかっていたのだが、なにも言わないでおくよりはいいだろうという判断の結果だ。
そんなやり取りがあって、つい数日前、実家から電話があった。
私の奨学金を代わりに返済してやるという。
本当にありがたかった。
それと同時に、40過ぎた男が、親に借金の肩代わりをしてもらうということに情けなさや惨めさが込み上げてきた。
私はこれ以外にも、今のマンションの家賃すら親から補助を受けているのだ。
これでは大学生の仕送り状態となんら変わらない。
謝罪と感謝の気持ちを述べながら、ありがたく父からの申し出を受けることにした。
それにしても、この状況は一体何なのだ!あまりに自分が情けない!
実家の両親はもう若くはない。
父は自営業であり、まだ現役だ。そのため年金以外からの収入もあるのだが、老後の資金を奪ってしまっている私のふがいなさに涙が出てくる。
これまでを振り返ると、会社が倒産するまでは人生がうまくいっていた。
平均以上の収入があり、なおかつ結婚もできたし、この先、多少の山や谷がありながらも親孝行できると信じて疑わなかった。
しかし、倒産からその全てが狂った。
なんとか潜り込んだその後の転職先ではうまくいかず、入社→退職を繰り返すこと2回。
結局今は、またしてもしがないアルバイトだ。
フルタイムのアルバイトなので多少の収入は見込めるものの、新卒の初任給には及ばない。
こんな状況の私を見て、母がこんな言葉を漏らしてことがある。
「大学院まで出たのに、なんでこんなことになったのかねぇ」
母がこういうのももっともだ。私には返す言葉がなかった。
実の母がこうなのだから、義理の母も当然、私のことを快く思ってはいない。私の将来性を信じて大切な娘を預けた男がすぐに仕事を辞めてしまうのだ。
「別れてもらいたい」とストレートに言われた。
生活資金の問題だけでなく、離婚問題も私のすぐ隣にチラついているのだ。
30後半で倒産を経験してからは全てがうまくいっていない。
今はなんとかアルバイトで食いつないでいるが、はたしてこれがいつまで続くのかは分からない。
今のアルバイトが決まった当初は希望の光が見え始めたと感じていたが、そこから数ヶ月が経過し、ふとこれからのことを考えると不安がとめどなく押し寄せてくる。
来年の今頃、私はどこで何をしているのだろう。
これが40代無職(アルバイター)既婚者のリアルだ。
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