後日、退職したC社から手続きに必要な書類が郵送されてきた。
早速、ハローワークや市役所に向かった。
スムーズに手続きが進み安心していると同時に、これからの生活がどうなるのか不安な気持ちが押し寄せてきた。
せっかくハローワークに来たのだからと、ついでに求人を検索してみた。
検索結果にはたくさんの求人がヒットしたが、同じ会社が複数の職種で募集していたり、技術派遣の職種だったり、気乗りしないものが多い。
その当時は派遣切りが大きな社会問題になっていたので、客先常駐の派遣形態の仕事はもちろん却下。
また、何件も求人をかけている会社は人の出入りが激しい、すなわち離職率が高いとみなして、これも却下。
よさそうな会社だと思っても、求められるスペックがそもそも高すぎる。これは却下というより、応募するだけ無駄。
そんなことをしていると、結局、応募したい(できる)会社はなかった。これが現実なのだ。
このとき強く感じたのは、一貫したキャリアを積んでおけばよかったということだ。
そもそも私は、通信大手のA社に新卒のSEとして入社した(転職回顧録-1参照)。しかし、当時新設された大学院に入学するべくめ、その会社を3年で退職し今に至る。新卒で入社した社員の約3割は3年で退職するという統計があるそうが、私がまさにそれだ。
新設の大学院に挑戦できたことには感謝しているし後悔はないが、思いとどまってエンジニアとして頑張っておけばよかったと思う時もある。
A社に同期入社した仲間たちはまだ辞めずに頑張っている。
本当にすごいと思う。彼らのほうが私よりもずっと大人だ。
今となっては結果論だが、結局は自分の人生設計が甘かったのだ。
それでも私は、暗中模索しながらも前に進むしかないようだ。(転職回顧録-11へ続く)