Cafe de 無職

~40代、50代の無職が集う場所~

転職回顧録-34

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その日、社内で事務作業をしていると、以前に私のOJTを担当してくれた先輩社員から話しかけられた。

なんだろうと思って話を聞いたところ、近々退職するということを聞かされた。
そういえば、私が外回りから社内に戻って事務作業をしていると、上司からたびたび呼び出され注意を受けている彼の姿をよく目にしていた。
そのあたりが積もり積もって退職という決断に至ったのだろうか。

またしても身近な人が退職することになる。会社を辞めるそぶりは全く見られなかっただけに、かなり驚いた。
そして仕事終わりにその先輩と飲みに行くことになった。
普段、職場の人と呑みに行くことはほとんどない私だったが、この日ばかりは別だ。色々と聞いてみたいこともあった。

そして仕事が終わり、会社から少し離れたコンビニで待ち合わせ、そこからさらに離れた居酒屋へ向かった。他の人と鉢あわないようにするためだ。

店に入り、まずはビールを注文。冷えたビールが運ばれてくると、二人でそれをグッと飲み干し大きく息を吐く。

そしていよいよ本題に入った。
退職の話に非常に驚かされたことを話すと、先輩は申し訳なさそうな顔をしていた。
そこで聞いた話だが、この会社での入社1年以内の離職率は、50%を大きく上回る値だった。このあたりの情報は入社前にも調べていたはずだが、特に何の情報も見つけることはできなかった。しくじったと思った。
当たり前だが、この会社では1年以内に2人に1人以上が辞めていったことになる。この時以降、「入る会社を間違えたかもしれない」と思うようになった。この転職がうまくいかなければ後がないと考えていた私の背中に冷や汗が流れた。

先輩の退職にあたり、私が一番気になっていたのは退職理由だ。
なかなか聞きにくかったが、あまり一緒に呑みに行く機会もないので思い切って尋ねてみたところ「もうやっていられない」と思ったからだそうだ。
もっというと、「自分が商品やサービスに魅力を感じていない。だから成績も上がらない。仕事自体が自分に合っていないことが分かった」ということらしい。

この先輩の答えにはハッとさせられた。なにせ、私と全く同じ思いだったからだ。
正直なところ私も、自分がお客さんに勧めているサービスが魅力あるものだとは思っていなかった。値段が多少安いだけで、他のものと比較して悪くはないがそれほど良いわけでもない。そう大きな違いはないのだ。
そこに目をつぶり、いかに売り込むかに楽しさややりがいを感じるのが営業マンといえるのだろうが、私はそういうタイプではないようだ。
私のような思いを持つ人間がどうして商品の購入をお客さんに勧めることができるだろうか。

自分のロジックが悪い方向に向かっているようで怖かった。
自分がどうしたらいいか分からなくなり始めていた。

そして、その先輩の仕事は私が引き継ぐことになった。
まさか、入社約一ヶ月で引継ぎを行うことになるとは夢にも思わなかった。
私が引継ぐ担当エリアは都内だ。しかし、だからといって喜ぶわけにはいかない。単純に今現在担当している郊外のエリア(転職回顧録-33を参照)に加えて、さらに都内のエリアが追加されただけだ。要は仕事が増えただけなのだ。

この仕事、自分のキャパを超える量になりだしてきた。
しかし、今はとにかくやるしかないのだ。
自分にそう言い聞かせながら、二人で居酒屋を後にした。(回顧録-35へ続く)

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