40代無職が未経験の営業職に就くとどうなるか?【転職回顧録-営業マン編7/19】

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ここまでのおさらいと今回のお話

ノルマで思い悩む日々。

そのノルマを何とか達成しようと努力するも、結果に結び付かない。

私は広い営業エリアを割り当てられ、さらに成績は下降気味。

やはり、未経験で営業に飛び込むのは無謀だったのか?

今までに経験したことのないプレッシャーだ。どうすればサービスの申し込みにつなげることができるのだろう?

結果の出ない日々が続き、悩める日々が続く。

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広すぎる担当エリア

担当エリアの一部に23区が含まれているものの、大部分は東京都下、神奈川、埼玉などだ。

地域が広いので当然、会社の数も多いうえに、田舎なので訪問先が広く点在している。

23区内であれば次の訪問先までは徒歩5~10分の距離だったり、山手線で1~2駅ほど行けば到着することができるので、効率よく客先を回れることができる。

しかし、郊外の場合はそうはいかない。

移動手段がバスであったり、駅から徒歩で30~40分以上かかったりすることはザラだ。
要は、想像以上に移動に時間がかかってしまう。

そうなると物理的・時間的に訪問先件数が伸びない。訪問先件数が少ないと上司からの指摘が入り、無理な目標設定を課されてしまう。

全てが悪循環に陥っていたように思う。

そんな状況に置かれると、お決まりの結末にたどり着くようになる。

つまり、日報の見栄えをよくするため、訪問先件数を稼ぐだけの中身のない仕事をするようになってしまうのだ。

私の場合も例外ではなかった。

また、それだけでなく、実際に訪問する際にも困ったことが多くあった。それは客先への到着タイミングだ。

田舎を走るバスは運行本数が少ない。

到着が早すぎるからといって、次のバスに乗車すると確実に遅刻する。

だからやむを得ず、約束時間の1間前に到着することは日常茶飯事だった。

都心に近い会社であれば、それでも近くの喫茶店にでも入って時間をつぶすのだが、郊外では事情が異なる。

田舎にはコーヒーショップのような気の利いたものなどなく、待機する場所がない。仕方なく付近をウロウロするか、近所の公園でベンチに座るしかない。

これが秋口や春先ならばまだよい。

しかし、冬は地獄だ。

コートにくるまり、ひたすら寒さに耐えるしかない。

晴れていればまだいいが、雨などが降っていると目も当てられない。これは本当につらかった。

早く着きすぎてしてしまった場合、どうやって時間をつぶすかばかり考えていた。

交通費の問題

さらに困ったことがもう一つあった。

それは交通費だ。

1回の支給につき5000円ほどしか渡されないので、遠方のエリア担当になると、支給された交通費がみるみる減っていく。

23区内を担当している人たちに比べて、倍くらいのスピードでは交通費が消えていく。

交通費がなくなれば申請し、1週間とちょっとしてまた申請…
このサイクルを繰り返していると、上司や総務部から嫌味を言われるようになった。

大きな契約を取れていれば胸を張って申請することもできる。

しかし、小さなサービスの契約を数えるほどしか取れていなかった私は、申し訳なさそうに申請するしかなかった。

自分が情けなかった。

本音をいうと、担当エリアが遠方であることは汲んでほしかったのだが…

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営業未経験の私。外回りの仕事は向いてなかった

当初、営業という仕事に対して抱いていた印象が、少しづつズレ始めてきていた。

『今日もたくさん歩いた割には何も成果がなかったな。また何か言われるな…』

そんな思いで帰社して日報を提出すると、案の定、社長や上司から色々な指摘が入る。

『アポはどれくらいとれているのか?』

『随分と交通費を使っているようだが、それに見合う成果は出ているのか?』

『いつまでに何件の見込みがあるのか報告しろ』

毎日がプレッシャーとの戦いだった。

会社での成績は芳しくない。芳しくないというか、悪い。

報告のたびに胃が痛くなった。
ドラマに出てくるダメサラリーマンの姿がそこにはあった。

だが、仕事がうまくいっていないことは妻には言えなかった。
なぜなら、彼女の前では仕事ができる男を演じていたかったからだ。

だからといって、平然と『今日も売れた!絶好調!』などとウソをつけるほど器用ではない。

そうなると、家での口数が少なくなり、妻との会話も減っていった。

妻もそのあたりはなんとなく察してくれていたようだ。
私を励ますでもなく、ごくごく普通に接してくれていた。

ただ、会話が少なくなって寂しそうにしていることは薄々感じていた。

そんな憂鬱な日々が続くなか、ある日、私のOJTを担当してくれた先輩から衝撃的なことを伝えられた。

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◆ 転職回顧録-営業マン編8/19へ続く

仕事が終えて会社を出ようとした私に先輩が告げた衝撃的な事実とは?

先輩、仕事辞めるってよ【転職回顧録-営業マン編8/19】
その日、仕事が終わって会社を出ようとした私に先輩がこっそりと声を掛けてきた。「軽く飲みに行きませんか?」
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