再就職面接、驚きのグループディスカッション【転職回顧録-迷走編4/18】

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ここまでのおさらいと今回のお話

外資系企業の書類選考に落選して、私はひどく気落ちしていた(無職40代中年が見つけたお宝求人とは?【転職回顧録-迷走編3/18】を参照)。

しかしそんな無職中年の私にも救いの手が差し伸べられた。

なんと、別の企業から面接の連絡があったのだ。

実はこの求人、完全未経験の職種ではあったが、仕事内容が面白そうなので数週間前に応募していたものだ。

はたしてこのチャンスをものにすることができたのか?

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無職40代男への思いがけない連絡

私の年齢はこの時、40代に差し掛かっていた。

そんな私にも面接の連絡が突然来るのだから、就職活動はまったくわからないものだ。

この時は初夏だったので、スーツで面接に行くにはかなり暑かった。

どうせこれからも面接の機会があるのだから、この機会に1着買っておこうということになり、なけなしのお金でサマージャケットを購入することにした。

そこで気分転換も兼ねて妻と一緒に買い物に出掛けることにした。

もちろんブランド物は買えないので、選択肢は安めのものに限られる。

目当ての店に到着して店内を物色していると、めぼしいものを一着見つけた。それを手に取ってみると、なるほど生地が薄くて、これなら暑い夏を快適に過ごせそうだ。

妻はそれを私の背中に当てて、サイズがあっているかどうかをチェックしてくれた。結婚前のデートの時を思い出してなんだか嬉しかった。

思えば失職してからというもの、こういう機会がなかったので、妻には随分と寂しい思いをさせてしまっていた。

ごめん。

そしていざ面接日。私は新調したジャケットを着て家を出た。

開始時刻の1時間ほど前には会場に到着していたが、まだ時間には早すぎたので、近くの喫茶店に入った。

コーヒーを飲みながら想定問答集を頭の中で三回ほど繰り返していると時間が迫ってきたので、急ぎ足で会社に向かう。

若干の違和感

入り口のインターホンで面接に来たことを告げると、採用担当の人がドアを開けてくれた。
すると、中にいた30名ほどの社員が一斉に起立して「こんにちは」と挨拶してくれた。

しかし、こういう対応はハッキリいって苦手だ。大きな違和感を感じてしまう。

実は私自身、中学から大学までずっと体育会系の部活に所属していたので、自分自身もこうしたことをしてきたのだが、社会人になってまでやりたいとは思わないし、そんな社風はいやだ。

ただ、現状ではそうもいっていられない。
こちらもわりと深めにも一礼し、別室で面接の順番を待った。

周りを見渡すとすでに20名前後の応募者が集まっており、年齢層も様々だ。

グループディスカッションという名の集団面接…モラル的にこんなのあり?

そうこうしているうちに採用担当者があらわれ、今日の予定を説明してくれた。

簡単な会社案内の後、グループディスカッション形式の面接を行うらしい。
とりあえずメモを取りながら、熱心に説明を聞いている姿勢を装っておいた。

しかし、この後、驚くべきことが起きた。

それは、会社案内が終わった後の出来事だ。

採用担当者は「それでは、これからグループディスカッションを行います。まず、こちらの方から志望動機を教えてください。」と話し出した。

しかしグループディスカッションとはそういうものではなく、ある議題について複数人で議論することなのだけど…

これではただの集団面接だ。しかも、プライバシーが筒抜け状態。

一人ひとりやっていると時間がかかるから、グループディスカッションという名目で一気に片付けてしまおうという魂胆がみえみえだ。

それに志望動機にはプライバシーが含まれるので、他の志望者の前で言うべきものではない。

ここはどうやら、応募するに値しないコンプライアンスというかプライバシー意識の低い会社のようだ。

ただせっかく来たのだから、今後の参考のため、他の人の志望動機を聞いてみることにした。

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応募者のレベルが極端に低い会社

すると、「公務員試験に合格できなかったから」とか「お金を稼ぎたかったから」とか「そろそろ働かなければマズいと思ったから」など、面白志望動機が次々と出てきた。

もう少し対策を練ってから面接を受けたほうがいいんじゃないの?というレベルの人が多かった。

嘘でもいいからもうちょっと内容を考えようよ…

ただ、この経験は大いに勉強になった。

それは、応募者(すなわちライバル)は案外適当だったり、大したことない人が多いということが分かったからだ。

これが分かるまでは私は次のように考えていた。

『他の応募者は、完璧な志望理由を用意して完璧な書類を作成し、面接での受け答えも非の打ち所がない人たちばかりだ』と。

Image by Gerd Altmann on Pixabay

しかし、どうやらそれは杞憂のようだった。

結局、私はこの面接で落とされてしまったのだが、精神ダメージは全くなかった。面接で一緒になった人のレベルを考えれば、大したことない会社だったからだ。

おそらく私が落ちたのは、オーバースペックが原因と思われる。もしかして、労働環境の改善などで会社に反旗を翻しそうな人材と見られたのかもしれない。

この日以降、面接では緊張することなく、自然体に近い状態で受け答えすることができるようになった。

面接には落ちてしまったが、いい気付きを与えてもらえたので、むしろ感謝だ。

さて、次の求人を探すことにしよう。

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◆ 転職回顧録-迷走編5/18へ続く

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