Cafe de 無職

~40代、50代の無職が集う場所~

転職回顧録-20

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面接、ダメだった。

不合格を知らせる手紙を手にして、悔しさよりも落胆する気持ちのほうが大きかった。

妻や義両親が模擬面接の手伝いをわざわざしてくれたのに・・・。質問事項を予想して何度も回答を作り直して頭に叩き込んでいったのに・・・。その日は何もする気になれなかった。

帰宅した妻にそのことを告げると落胆の表情を見せたが「しょうがないね、仕方ない。また次だね」と明るく笑ってくれた。本当に優しい妻だ。

そのころ私は失業給付を受けており若干の蓄えもある。贅沢さえしなければ生活はできる。
そんなこともあり気持ちをリセットするため、以前からのささやかな趣味であった一人小旅行を計画することにした。

小旅行といっても都内を一泊するだけのものだ。
旅先で名所巡りやご当地グルメを堪能するわけではなく、ネットなどで面白そうな評判の街を徘徊し、夜はその近くにある安めのビジネスホテルに泊まるだけのもの。

私はこれだけで十分満足なのだ。

今回選んだのは赤羽だ。
なぜ赤羽かというと、ここはあるマンガで取り上げられていた街で、色々と個性的なお店が多く、夜はなかなかカオスなことになっているらしい。

早速、ビジネスホテルを予約して翌々日の昼から出発。
出発前日は小学生の遠足のときの気分を思い出す。
ワクワクしながらリュックにお菓子を詰め込んでいたものだ。

そして迎えた当日。移動時間は1時間もかからない。昼すぎに出発したが夕方前には到着した。赤羽はいままで降りたことのない駅だ。空気感も少し違うように感じた。

その日は平日だったが、駅前にはそこそこ人が多く賑やかだった。
きっと探せば観光名所はあるのだろうが、そんな事お構いなしに好きなように散策し、それに飽きると近くにあるネットカフェに入った。

平日とはいえ客の入りはよかった。
私のように無職の人も結構いるのだろうか、それともさぼっているサラリーマンだろうか。

そんなことを考えながらドリンクを飲みソフトクリームを食べ、ひたすら映画や漫画を見て夕方まで時間をつぶし、頃合いを見てホテルにチェックインした。

時刻は19時をまわるころ、そろそろあたりが暗くなってきた。
その時間に合わせてホテルを出て駅前に繰り出してみた。
飲み屋街が人で賑わいはじめ、あちこちで楽しそうな声が聞こえる。

酒など呑まなくても、その空気感に浸るだけで十分だ。誰も知らない土地で自分の好きなように徘徊できるのが何とも言えず楽しい。

怪しげなお店の前を通り、「これがあのマンガに登場していた店か」などと感慨に浸る。確かに怪しい。だけどそれが面白い。

都度、撮った写真を妻に送りながら俺的小旅行を十分に堪能し、最後はラーメン屋で魚介豚骨味に舌鼓をうった。

そうして束の間の小旅行は終わり、また無職の日常に戻るのだった。(回顧録-21へ続く)

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