ここまでのおさらいと今回のお話
普段、書類選考に通過することはほとんどない。
しかし、この二社の場合だけはほぼ同時期に面接に進むことができたので、その分、かなり念入りに対策をして臨んだ(転職回顧録-21~転職回顧録-24参照)。
書類選考の通過には時期的な波でも存在するのだろうか。だとすれば、この時はかなりの大きな波に乗っていたに違いない。
なんとしてもこのチャンスをつかみ取りたい。
その思い入れとは裏腹に、チャンスに振られ続ける毎日。
だからこそ、今回はどうなるのか、期待と不安が入り混じった複雑な気分だった。
二社の面接が終わってからというもの、その後の連絡が待ち遠しくて仕方なかった。
二社の面接は全て終了した
通常、面接で不採用が決定した場合、薄っぺらい封筒に履歴書や職務経歴書を入れて、郵送で返却されることが多い。
そのため毎日、ビクビクしながら郵便受けをチェックしていた。
そんな日々を送っているうち、ついに最初に面接を受けた会社からのメールが来ていた。
ドキドキが止まらない。
メールの題名には「面接結果のご連絡」とある。これだけでは本文の内容が分からない。
おそるおそるクリックして本文を確認してみると、そこには二次面接の案内について記載されていた。
なんと、先日の面接に通過したのだ!
外出中の妻にすぐにメールしてこのことを伝えると、とても喜んでくれた。二人で喜びを分かちあった。
おそらく最終面接となる二次面接は明後日に行われるという。
望むところだ。
まさかの結末。そのとき無職中年男は?
これまでの経験から色々な対策をたててきたので、とりたてて新たに準備することはない。
再度、志望動機や事業内容を確認するだけだ。
とはいえ、念には念を入れるため、妻を相手に模擬面接をしてみた。
面接室への入室の作法、椅子に座った時の鞄の置き方、表情のつくりかたなどをあらためてチェック。
まるで初めての就職試験にむかう学生のようだ。そして二次面接当日を迎えた。
オフィスに入ると、社員全員が起立して私にお辞儀をしてくれる。
やはりこの雰囲気は苦手だ…
今回の面接は社長との一対一の形式で行われた。
事前に模擬面接はすませていたものの、やはり緊張する。
社長からの第一声は予期しない内容だった。
『内定です。今日は雇用条件の内容を詰めたいのでお呼びしました』
一瞬、自分の耳を疑った。
てっきり最終面接かと思っていたが、とりあえずは私の転職活動に終止符が打たれた瞬間だった。
先の見えない不安からやっと解放されたと思うと、心底ホッとした。
互いに書面を見ながら一通りの条件を確認した。試用期間のこと、給与のこと、業務内容のこと。
入社してから半年間は試用期間となるが、その間の給与は求人に記載していた内容と同額とのことだった。
また、休日は暦とおりの完全週休二日制。
この条件、承諾するか断るか?
特に不満はない。
しかし、私にはこの場ですぐに内定を承諾できない理由があった。
それは二社目の面接結果(回顧録-24を参照)の連絡がまだ来ていなかったからだ。
本音を言うと、私はこの二社目のほうが志望度は高く、どうしてもその結果を待ってからこの内定の承諾を出したかった。
私が複数の企業に応募していることは既に伝えており、社長も理解を示してくれていた。
そのため、内定を受けるかどうかの返事を1週間待ってくれることになった。
おそらく、その間には二社目の会社の結果も分かっていることだろう。
しかし、何はともあれ一段落だ。
さっそく妻に電話して内定が出たことを伝えた。
その喜びたるや、ものすごかった。
きっと妻も随分心配してくれていたのだろう。
その後、実家と義実家へ電話して今日のことを報告した。みんなとても喜んでくれた。
これだけ転職活動が長引くことは予想外だったが、なんとかハッピーエンドで終わり本当によかった。
そして、近くにあったラーメン屋に立ち寄り、まずは一人で祝杯をあげたのだった。
遂に内定を勝ち取った!しかし、この内定を承諾するかどうかは、もう一つの企業の選考状況次第。次回、私の進路がいよいよ決定することになる。