Cafe de 無職

~40代、50代の無職が集う場所~

転職回顧録-28

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フリーター生活では起床時間はまちまちだったが、こうして会社勤めをしていると、日々の生活リズムが徐々に体に馴染んでくる。

入社に必要な書類はすべて総務に提出し、これで手続きは終わった。
もうお客様ではなく社員の一員になったのだ。気持を新たに、この会社で頑張ろうと思った。

しかし、入社したばかりの私にできることといえば雑用を手伝うことくらい。それ以外では、業務のレクチャーを受けて日々を過ごしていた。

業務の概要は頭に入ったが、実務をこなすときにまた新たな疑問が出てくるだろう。
その時はまた聞けばいい。そう思いながら、日々を過ごしていた。


社内の雰囲気はというと、良くも悪くもなく、各自が淡々と仕事を進めている印象だった。
しかし、来客のたびに社員全員が挨拶することにはなかなか慣れなかった。
その他にも様々なローカルルールがあるようで、それらも把握していかなければならない。
これまでは比較的自由な社風の会社で働いてきただけに、ルールが細かく決められていることに窮屈さを感じていた。

そうはいっても、この会社で生きていくためにはそのルールに従わなければならない。
「少しの間の我慢だ。慣れてしまえば何ということはない。」
そう自分に言い聞かせた。

そんな毎日をすごし、この会社で初めての金曜日を迎えた。

実はこの日の会社帰りにやりたいことがあった。
それは、会社の近辺にある繁華街を散歩してみるということだ。
それまでは無職だったため毎日が週末気分だったが、こ会社員となると週末の解放感がまるで違う。それだけではなく、仕事をコツコツ頑張ったという誇らしい気持ちでいっぱいだ。

そんな心地よい解放感を感じながら、夜の街をブラブラとあてもなく歩いてみた。
道路沿いに立ち並ぶ煌びやかな店のショーウィンドウには魅力的な商品が展示されており、道行く人の目を引いている。

「給料が入ったら、この靴を買いたい」
「妻には心配をかけたから財布でも買ってあげたい」

そんなことを考えながら付近を散策した。
40代の中年ならば働くことは当たり前のことかもしれないが、この不況の中、転職を成功させた自分自身を褒めてやりたかった。

そんなことを考えながら、辺りをしばらく歩いてから帰宅した。

その翌朝、妻からこんなことを言われた。
「寝言で仕事のことを話してたよ」

おそらく、「仕事内容を早く覚えなければ」と思うあまり、頭に叩き込んできたレクチャーの内容が寝言になったのだろう。
そもそも自分が寝言を言っていたことに驚きだが、その内容が仕事のことだったということにさらに驚いた。それほど気負っていたのかもしれない。

そして朝食を食べた後、少し時間があったので、自宅に持ち帰った資料に目を通した。
仕事を早く憶えるため自分なりに必死だったのだ。

月曜からはいよいよ、先輩社員とのOJTが開始となる予定だった。
こうしたことは久々なので不安だが、やる気は十分だ。

そんな土日を過ごし、ついに月曜日を迎えた。(回顧録-29へ続く)

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