40代無職男はもう死んだ【転職回顧録-営業マン編2/19】

再就職先での滑り出しは順調。

久しぶりの仕事ということもあり、私はヤル気に満ち溢れていた。

充実感とともに週末を過ごし、週明けからはいよいよ実地でOJTが行われることになった。

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これまでの無職な私はもう死んだのだ。

これまでの私とはもう決別した。

失職してからはかなり苦戦はしたが、やっとのことで内定をつかむことができたからだ。
これからは、無職中年男から会社員中年男に生まれ変わるのだ。

それまでの無職生活で起床時間はまちまちだったが、こうして会社勤めをするようになると、日々の生活リズムが規則正しくなる。

6時半に起床して朝食をとり、身支度を済ませてから出勤するというのが大体の生活リズムになる。

玄関で私を見送る妻の表情もどこか明るいような気がする。

通勤時間は電車で1時間ほど。乗り換えしなくていいのでとても楽だ。

会社に到着して、入社に必要な書類を総務に提出した。

入社手続きは全て終わった。
これで会社の一員になったのだ。

これでもうお客様ではなくなる。
心地よい緊張感とともに、この会社でまた一から頑張ろうと思った。

ただ、気合をいれてはみたものの、入社したばかりの私にできることは殆どない。

PC操作のことで分からないことだったり、エクセルで分からないことがあれば対応できる。
だが、この会社の業務内容はそこまでPCを必要とするものではなさそうだった。

今は業務のレクチャーを受けながら独り立ちの準備を行うべく知識のインプットを行うことが先決のようだった。
業務の概要は頭に入ったが、実務をこなすと、また新たな疑問が出てくるだろう。

その時はまた聞けばいい。
そう思いながら、日々を過ごしていた。

さて、社内の雰囲気はというと、まだ十分に把握しきれていなかった。
各自が淡々と仕事を進めているような第一印象を受けた。

金曜日の仕事帰りは気分がウキウキする

それとは別に、どうしても生理的に受け入れにくいことがあった。

それは、来客のたびに社員全員が起立してお客さんに挨拶しなければいけないことだ。

このほかにも様々なローカルルールがあるようだ。

今までは比較的自由な社風のなかで働いてきた私にとって、細かなルールがたくさんあることに窮屈さを感じていた。

そうはいっても、この会社で生きていく以上はこのルールに従わなければならない。

「少しの間の我慢だ。慣れてしまえば何ということはない。」
そう自分に言い聞かせた。

そして入社してから初めての金曜日を迎えた。

実はこの日の仕事が終わった後、私にはやってみたいことがあった。

それは、会社の近辺にある繁華街を散歩してみるということだ。

これまでは無職だったため、毎日が週末のような気分だったが、会社員として過ごす週末の解放感は、今までとはまるで違う。

また、今週も仕事を頑張ったという誇らしい気持ちもあった。

そんな心地よい解放感を感じながら、夜の街をブラブラとあてもなく歩いてみた。
道路沿いに立ち並ぶ煌びやかな店のショーウィンドウには魅力的な商品が展示されており、道行く人の目を引いている。

「妻には心配をかけたから、初給料で財布でも買ってあげたい」
「給料が入ったら、この靴を買いたい」

そんなことを考えながら、辺りをしばらく歩いてから帰宅した。

その翌朝、妻からこんなことを言われた。

「寝言で仕事のことを話してたよ」

おそらく、「仕事内容を早く覚えなければ」と思うあまり、頭に叩き込んできた内容が寝言になったのだろう。

そもそも自分が寝言を言っていたことに驚きだが、その内容が仕事のことだったということにさらに驚いた。

それほど気負っていたのかもしれない。

そして朝食を食べた後、自宅に持ち帰った仕事の資料に目を通した。
この時は仕事を早く憶えるため自分なりに必死だったのだ。

土曜日はこうして仕事の復習にあてたが、日曜日は比較的リラックスして過ごすことにした。
そんなこんなで休みはあっという間に過ぎていった。

そして迎えた月曜日。

私は営業職として入社したため、いつまでも商品知識を社内で勉強するだけでは十分な成長は見込めない。

そのため、この日からいよいよ、先輩社員に同行して実際にお客さん先を回りながらのOJTが始まることになっていた。

営業として客先を回るのは社会人人生の中で初めてのことだったが、やる気は十分だった。

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◆ 転職回顧録-営業マン編3/19へ続く↓↓

人生初の営業。初日にして、その難しさを知ることになる。

40代無職中年の営業未経験者が受けたOJT【転職回顧録-営業マン編3/19】
今後は外出して営業先を回ることが主な仕事になる。慣れてくれば一人で行くことになるが、当面の間は先輩社員に同行する。
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