元無職のダメ営業マン、無茶なノルマを課される【転職回顧録-36】

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元無職のダメ営業マンは目標設定を書き上げて憂鬱な休日を過ごした(回顧録-35を参照)


休み明けの月曜、上司と顔を合わせたくなかったので、出社後すぐに私は外回りに出た。

その日の外出先は郊外にある顧客で、バスを乗り次いで行くような場所にある。
こんな場所に行く日は当然、訪問件数は伸びない。

1時間以上もかけて最初の訪問先に向かったものの、結局、新規のサービス申し込みを獲得することはできなかった。

徒労に終わったわけだが、会社にとって付き合いの長いお客さんであり、定期的に顔を出すことは欠かせない。

そして、二件目の訪問先はここから距離の遠い場所にある。
またバスに乗らなければならなかったが、次の便まではあと1時間ほど待たねばならなかった。

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そこで、少しでも交通費を浮かすため、仕方なく次のバス停まで歩くことにした。

その日は特に寒かった。
寒さに凍えながら大きな鞄を抱えてトボトボと歩く。

全てを放り投げてしまいたい気分だった。

しばらく歩くと次のバス停に到着し、少し待ったところでバスがやって来た。
それに乗り込み、束の間の暖を取る。

そして、目的地付近で下車したが、約束の時間までにはあと30分ほどある。
周りには公園やコンビニのようなものもなかったので、やむなく周辺をグルグルと歩いて時間をつぶした。

これでは寒さしのぎのために真夜中に歩き回るホームレスと変わらない

次第に自分が何のためにこんなことをしているのか分からなくなってきた。

今日の訪問先をまわって疲れた体で帰社しても、待っているのはどうせ上司からの指摘だ。
まだまだ努力が足りないなどと注意を受けるのだろう。

私が入社前に抱いていた姿はこんなものではなかったはずだ。

「なぜ、営業の世界に足を踏み入れてしまったのだろう」

「なぜ、経験職を選ばなかったのだろう」

「なぜ内定が取れた会社に安易に飛びついてしまったのだろう」

そんな後悔や自責の念で頭がいっぱいになった。
このときのことは今でもよく覚えている。

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余りに情けなくなり、私はスマホを手に取った。

電話をかけた先は実家の父親だ。
情けない話だ。

本来は妻に話したかったが、見栄が邪魔して彼女には電話できなかった。

だが、やり場のないこの気持ちを誰かに聞いてほしくて仕方なかった。

電話に出た父は私の話をしばらく黙って聞いていた。こんな話を聞かされて父はの心境はどんなだっただろうか。
それを思うと私は本当にダメ息子だと思う。

そして、また今度ゆっくり話そうということになったが、つらい気持ちを吐き出すことができただけで少し落ち着くことができた。

その後、なんとか気持ちを奮い立たせ、愛想よく次の訪問先に向かった。

少し気持ちが軽くなったことが幸いしてか、ここではなんとかサービスの申し込みを受けることができた。

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もしこれでダメだったら、そのまま電車でどこか遠くへ逃避行していたかもしれない…

新規契約獲得をしたことで、この日の帰社後は上司からの指摘が入ることはなかったが、仕事に対するモチベーションはかなり落ちていた。

その日の帰宅後、妻に今日の出来事を話した。
妻に仕事の愚痴を話すのはこの時が初めてだったと思う。

すると、次の転職先を決めてからであれば転職してもいいと言ってくれた。

どうやら、以前に比べて私の口数が少なくなっていたことで、仕事がうまくいっていないんじゃないかと気にかけていたようだった。

このときすでに私の気持は半分折れかかっており、この転職は失敗だったと考えるようになっていた。(回顧録-37へ続く)

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