ここまでのおさらいと今回のお話
どの会社も若い人ばかりを採用したがっている。
40代無職の私など眼中にないようだ。
転職市場において若さは本当に武器だ。年齢問題はどうしようもない。
内定獲得までには時間がかかることを覚悟していたので、生活費を稼ぐためにアルバイトを探すことにした。
しかし、40代だとを考えるとそれさえも難しい。
無職中年男ははたして、アルバイトを見つけることができたのか?
このころ、よく考えていたことがあった
最近の法律では特別な場合を除いて、求人の年齢制限を禁じている。例えば「~歳以下募集」などの文言は求人に記載できないことになっている。
とはいっても採用側だって若い人を採用したい。
そこで考えられたのが「20代活躍中」という表現だ。
こういう場合は大体、20代という年齢制限が設けられていると思ってよい。
つまり、30代や40代が応募しても門前払いされてしまうことが多い。
そうなると求職者は「~代活躍中」などの表現を読み取って、採用側の意図を推測しなければいけない。
しかし、『~代活躍中』などのうたい文句があればまだよいほうで、それすら書かれていない求人に応募してしまうと、応募者としては非常に困る。
こちらはかなりの志望度なのに、年齢制限に引っ掛かって、あっさり書類選考で落選となってしまうからだ。
最初から『~歳以上はお断り』と分かりやすく書いてくれれば無駄な労力を使わずに済んだのに…。
こんな形式的な規制よりも、選考の結果連絡を義務付けしてくれた方がよほど助かる。
そんな不満を抱えながら、私はアルバイトと正社員への求人に応募し続けていた。
正社員への応募にあたっては、希望職種が見つかりしだい応募を繰り返していたが、アルバイトではどのような求人に応募しようか迷っていた。
営業事務や肉体労働などはもうできそうもないし・・・
それにしても、こうして色々とアルバイトを探してみると、色々とユニークなものが見つかる。
面白いところでは、高校生の化学実験補助というものがあった。
これは新聞の折り込みチラシに掲載されていたものだ。
私は大学院時代に学部生相手の実験補助をやったことがあるので、電話して応募可能か聞いてみることにした。
すると、少なくとも半年以上勤務できる人を求めているとのことだった。
結局、長期勤務できる保証がないため、そこは諦めることにした。
学習塾講師というアルバイト
次に見つけたのは学習塾講師のアルバイトだ。
学生時代に家庭教師をやっていたことがあるので、学習塾でもやれそうな気がした。
そこで早速、インターネットから応募。
しかし、1週間経っても全く返信がない。
履歴書を送ったものの、何の音沙汰もなく放置されるというケースはしょっちゅうある。それはまだよい。
ただ、この応募はちょっと事情が異なる。
それは、履歴書のほかに職務経歴書も提出していたからだ。
もちろん、職務経歴書の提出は学習塾側からの指定によるものだ。
しかし、たかがアルバイトの応募に職務経歴書まで提出させておいて、何の連絡もないまま放置するのは納得できなかった。
そこで、電話で確認してみるとただいま選考中とのことだった。
おそらく、電話があってはじめて私からの応募に気付いたのだろう…蕎麦屋の出前じゃないんだから…
するとその翌日、筆記試験を実施するとの連絡があった。
私の思った通りだ…
ここはグッと我慢してそのテストを受けてきた。
受験から何年もブランクがあったので不安でいっぱいだった。
会場に到着すると小さな部屋に通されて、試験スタート。
内容は高校入試レベルの数学と英語の問題だった。
二次方程式などは解くことができたが、図形問題などはほぼ完全に解き方を忘れていた。
それでもなんとか強引に解答した。英語はなんとかできたと思われる。
試験結果を待つこと1日
ついに選考結果が来た。
その内容はなんと、生徒相手に模擬授業をしてほしいとのことだった。
筆記試験の結果は問題なかったので、あとは指導力を見てみたいということらしい。
どうやら講師としての私の力量を判断したいようだ。
具体的な授業内容は、中学2年生10人に大して数学の授業を1時間実施するというものだった。
授業レベルは、平均よりも下で授業の補修レベル。
もちろん、その分の時給は支払ってくれるとのこと。
いきなりの授業で少々不安もあったが、プレゼンなら多少の自信はある。
念のため、説明のための小道具をいくつかつくって、それを妻に見てもらったところ、分かりやすいとの評価をもらった。
これで準備万端だ。
そして当日。
電車で30分かけて決戦の地へ向かった。
緊張の模擬授業!私は生徒に受け入れられるのか?