転職回顧録-50

このころ、よく考えていたことがあった。

アルバイトや中途採用の求人には「~歳以下募集」などの文言は記載されていない。これは法律でそのような決まりがあることが原因のようだった。
そうなると求職者は「~代活躍中」などの文言によって、その求人が求めている年齢層を推測することになる。また、「~代活躍中」などの文言があればまだよいほうで、それすら書かれていない求人に応募した場合、なんの返信も返ってこないことがよくあった。

結局、募集したい年齢層を明記してくれたほうがありがたいとずっと思っていた。
言葉遊びのような形式的な規制よりはむしろ、書類選考や面接結果の結果は、遅くとも3週間以内には応募者本人に連絡することを義務付けてくれた方がよほど助かる。

そんな不満を抱えながら、私はアルバイトと正社員への求人に応募を繰り返していた。もちろん、半分以上はなんの返信もないままだった。
ほとんどの求人があらかじめ「書類選考通過者のみこちらから連絡します」と銘打っているからだ。

正社員への応募にあたっては、希望職種が見つかりしだい応募を繰り返していたが、アルバイトはどのような職種に応募しようか迷っていた。
営業事務や肉体労働などはもうできそうもないし・・・

とりあえずはどんなアルバイトがあるか色々な媒体で探していたところ、化学実験補助のアルバイトが新聞の折り込みチラシに掲載されているのを見つけた。
これなら学生時代にも経験があるので大丈夫かもしれないと思い、詳しい話を聞こうと電話してみたところ、半年以上の長期勤務ができる人でないと採用は難しいとのことだった。
結局、長期勤務できる保証がないためそこは諦めることにした。

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つぎはアルバイトの王道である学習塾講師だ。
学生時代に家庭教師をやっていたことがあるので、学習塾でもやれそうな気がした。そこで、早速応募してみることにした。
しかし1週間経っても全く連絡が来ない。アルバイト採用にしては時間がかかりすぎだ。
私としては、指示されたとおりに前もって履歴書を送っていたため放置は我慢できない。
そこで、電話してみると今確認中とのことだった。おそらく、私の電話で初めて気付いたのだろう・・・蕎麦屋ではないのに。

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するとその翌日、筆記試験を実施するとの連絡があり、指定された日時にその塾まで行ってきた。もう何年もブランクがあったので問題を解けるかどうか不安でいっぱいだった。
簡単な挨拶の後、会場に到着すると小さな教室に案内され、いよいよ試験スタート。

内容は高校入試レベルの数学と英語の問題だった。
二次方程式などは解くことができたが、図形問題などはほぼ完全に解き方を忘れていた。
それでもなんとか強引に解答した。英語はなんとかできたと思われる。
そして、結果を待つこと1日。

先方からの内容はなんと、模擬授業をしてほしいとのことだった。
筆記試験の結果は問題なかったので、あとは指導力を見てみたいということらしい。
その塾は集団授業形式で指導しているため、講師未経験である私の力量を判断したいのだろう。
具体的な内容としては、中学一年生10人を相手に数学の授業を1時間実施してほしいとのことだった。この生徒たちは数学の理解が不十分で、この子たちにも分かるようにお願いしたいというリクエストだ。
もちろん、その分の時給は支払ってくれるとのこと。
いきなりの授業で少々不安もあったが、断る理由もないので快諾した。

私の実験台となる生徒たちが可哀想なので、ここはキッチリと授業をしてあげようと奮起した。
要点をまとめた授業ノートと小道具をいくつか作成し、妻に実演してみせたところ、分かりやすいとの評価をもらった。
早い話、これは仕事のプレゼンと同じだ。アルバイトとはいえ、気合を入れなければならない。

そして当日。
完成したノートと小道具を抱え、電車で15分かけて決戦の地へ向かうのであった。(回顧録-51へ続く)

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