授業での初の取り組みが生徒に大ウケ!【転職回顧録-フリーター編15/36】

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ここまでのおさらいと今回のお話

なんとか合宿初日を終えることができた。

実際にやってやってみて初めて分かったが、たった一日でもかなり疲れる。

そして合宿も二日目に入り、この日もスケジュールがいっぱいだ。

しかし、この合宿は塾として初めてのイベント開催なので、講師たちもクタクタ。

そして、私は授業で新しい取り組みを試みようとしていた。

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勉強合宿二日目

起床は4時半。
色々とやっていたら、結局、2時間くらいしか眠れなかった…

我ながらこの短時間の睡眠時間でよく起きれたものだと思う。

講師は朝の5時に集合し、今日一日のミーティングや準備をすることになっていた。
どの先生もみな眠そうだ。

そして生徒と講師が全員ロビーに集合して朝礼をすませた後、ホテルの近くにある公園に移動する。

外は身を切るような冷たい風が吹いているが、頭を起こすにはそれがまたいいのだろう。

みんなで体操をして、まだ寝ぼけている頭と体を一気に目覚めさせる。

こんな時、講師は常に、はつらつと元気にしていなければならない。普段ならこんなこと絶対にしないのだが…

体操が終わり宿舎に戻ると、朝食前に簡単な計算問題を解かせる。
まさに勉強合宿ならではの風景だ。

私はその様子を横で見ながら内心、「最近の受験生は大変だ。私の時はこんなことはなかった」と同情していた。

そもそもなぜ勉強合宿が流行っているのだろうか。
合宿をやらなければ対応できないくらい、入試レベルが上がっているのだろうか?

いや、違う。

合宿は利益率がよく、保護者に向けた宣伝にもなるからだと私は思っている。
それに加えて、冬の閑散期に大口の予約がとれるとあって、ホテル側からの売り込みもすごいようだ。

まさに、塾業界と観光業界の思惑がピッタリと一致している。

ただ、そもそも合宿に参加したからと言って成績が急上昇するものではないので、個人的には、勉強合宿への参加はあまりおススメしない。

引率側から見た勉強合宿

さて、小テストが終わった後は、講師は集計したものを印刷して各教室に結果を張り出す。

これは、生徒のモチベーションアップにつなげるためだ。

ただ、講師は生徒の倍近い作業量をこなすことになる。

なにせ、短時間で大量の答案をチェックし、それぞれに一言コメントを付け加えて採点しなければならないのだから。

採点する光景はまさに戦場のようだ。

そして体操と小テストが終わると、やっと朝食にありつくことができる。
生徒にとって、この食事の時間だけが一息つける時間だ。

しかしそれは生徒だけの話であって、講師達はこんなときも生徒一人一人に注意を払っておかなければいけない。

それは、体調不良者の有無や、アレルギー持ちの生徒のおかずに忌避すべき食材が含まれていないことを確認する必要があるからだ。

講師は一口か二口朝食を食べるごとに、生徒のテーブルを巡回しているような状態だった。
もっとゆっくりたくさん食べられるかと思っていたのに…

もちろん生徒達も、ノンビリできるほどの時間はない。
なにせ、スケジュールがタイトなのだ。

盛りだくさんの授業と演習を予定とおりこなすため、朝飯をかき込むように食べる。

食事を終えた生徒たちはいったん自室に戻り、息つく暇もなくテキストとノートを持って教室に向かわなければいけない。

ちょっと可哀想ではある。

個人的には食事の時間をもう少し長めにとってあげたほうが気持にメリハリがつくと思うのだが、これは甘い考えなのだろうか。

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面白そうな授業形式を考えてみた

あわただしい朝食が終わるとさっそく、授業が本格的に開始する。
しかし講師としては、この授業の時間が一番楽しい。

ところでこの塾では、ある程度のカリキュラムは決められているものの、細かな進め方は講師に一任されている。

そこで私は、マンネリ化を防ぎつつ楽しみながら勉強してもらうため、少し変わったアレンジを授業に加えてみた。

それは、数学の授業をグループディスカッション形式でやってみることだ。

まず、1クラスを3~4つのチームに分けて、共通の文章問題を解かせ、点数を競わせるというチーム対抗戦だ。

授業だけだと退屈してしまうこともあるが、こうしたグループ学習であれば全員が参加することになり、各自に興味を持たせながら問題演習に取り組むことを狙ったものだ。

またそれだけでなく、将来入社試験を受ける際、必ずと言っていいほどグループディスカッションが行われる。

そういったことも考慮してこの方式を導入してみた。

社会科などではこうした授業形式はよく耳にするが、数学でやるとどうなるか興味もあった。

すると、これが思いのほか大ウケだった!

みんな生き生きとした表情で、あーでもないこーでもないと議論しながら問題に取り組んでいた。

ひっかけ問題を適度におりまぜ、少し歯ごたえを出したのもよかったのかもしれない。

その姿を遠巻きに見ていると、普段はおとなしめの子供が、意外にもリーダーシップをとってチームを引っ張っていたりする様子を見ることができた。

普段は見ることができない一面を見ることができ、私自身も非常に興味深かった。

そんなこんなで怒涛の合宿二日目が終了した。

この日も忙殺された一日だったが、生徒の様々な側面を発見することができ、収穫のある一日だった。

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◆ 転職回顧録-フリーター編16/35へ続く

合宿三日目。授業をしていると、どうしても気になる生徒がいた。はたしてその生徒の特徴とは?

満足な夕食にありつけなかった無職中年男【転職回顧録-フリーター編16/36】
この日も含め、合宿は残すところあと二日だ。子供たちにも少し疲れが見えはじめてきた。
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