Cafe de 無職

~40代、50代の無職が集う場所~

転職回顧録-60

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その日も工場での仕事を終え、塾へ向かった。

副教材作りの進捗も順調に進んでおり、あとは合宿を待つばかりだ。
あと残った作業と言えばは、授業用ノートの作成だ。

実はこれがかなり大変な作業だった。
スムーズで分かりやすい授業のためには、一度頭の中にある知識を整理してそれをノートに落とし込み、本番では口頭で説明しながらノートの内容を黒板に書いていかなければならない。

いつもの授業のように一つの単元を集中して解説するのであれば比較的楽だが、合宿での授業は複数の単元の解説を進めなければならないので、その分作業量も多くなる。
大体、一単元につき5~10ページの分量になってしまう。
それに加えて、私お得意の竹ひごやマグネットを使った、目で見てわかる小道具も必要だ。

試行錯誤しながら、なんとか合宿前日までにこの作業を終えることができた。
また、高校生の個別指導も行わなければならない。
完全に時給以上の仕事をしているわけだが、こういった作業が好きなので、それほど苦にはならなかった。

そんな日が続くなか、工場での仕事が一段落し、シフト上の休みに入った。
私は休む間もなく今度は合宿初日を迎えた。

前日に準備を済ませ、集合時間の1時間前に待ち合わせ場所に到着した。
そこにはチャーターした大型バスがすでに待機しており、これからいよいよ合宿なのだという気持が強くなる。
講師の私が緊張しているくらいなので、子供たちはなおさらだろう。
乗車してくる子供たちと参加者名簿と照らし合わせ、出欠の確認を取った。
幸い、参加者全員が遅刻せずに来てくれたおかげでスムーズに出発することができた。
あとは、体調不良や途中の休憩所などでの迷子に注意するだけだ。

途中のサービスエリアでのトイレ休憩もトラブルなく済ませることができ、宿泊先のホテルに到着した。ここから、講師としての本来の仕事が始まることになる。

自分の荷物を部屋に置くよう子供たちに指示し、さっそく授業を開始した。
生徒の中には今回の合宿から初めて参加する子も数名いるので、簡単な自己紹介から始めた。

私は、合宿だからとって鬼教師になるつもりはなかったが、短期間で大量の情報量を生徒に伝えることをテーマに授業を行った。大量の情報量に大量の問題演習で、まさに詰め込み授業だ。
しかし生徒にとっては新鮮かつ刺激的な体験だったようで、普段の授業よりも多少厳しい内容にもしっかりと付いてきてくれた。

それまではこうした勉強合宿には否定的な考えを持つ私だったが、いつもとは違う環境で勉強することはとてもいい試みなのかもしれないと考えるようになった。

そして、無事に合宿初日が終わった。
しかし、講師陣の仕事はこれでは終わらない。小テストの採点、明日に向けてのミーティング、各部屋の見回りなどがある。
子供よりも引率者の方が疲労困憊の様子だった。

その日の仕事が終わった時点で、すでに翌日になっていた。
早朝に起きなければいけないので、この先体力が持つかどうか不安だったが、何とか乗り切るしかないと自分に言い聞かせて、ベッドに倒れ込むようにして眠りについた。(転職回顧録-61へ続く)

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