ここまでのおさらいと今回のお話
早いもので合宿も三日目。
あいかわらずタイトなスケジュールのなか、講師も生徒も頑張っている。
とくに講師は殆ど睡眠をとれていない。
塾での勉強合宿は生徒も講師も超ハードだ。
しかしもう少しでこれも終わる。
はたしてこの日は大きなトラブルなく予定をこなすことができるのか?
合宿三日目
この日も含め、合宿は残すところあと二日だ。
こうしていざ合宿に参加してみると、時間が経つのはあっという間だ。
ただ、子供たちにも少し疲れが見えはじめてきていた。
しかし、この日は合宿の成果を試すプログラムが目白押しなので、もっともきつい一日だ。
なんとかここを乗り越えてほしい。
この日はどんなスケジュールかというと、朝から晩までまとめテストが繰り返される。
それとは別に質問タイムが設けられていたり、テストの解説授業があるので、講師にとっても生徒にとっても今日はとても忙しい。
息つく暇がない。
気になる生徒
この合宿では大勢の生徒を見ているのだが、そのなかでひとり、気になる生徒がいた。
どのように気になるかというと、とにかく動作がワンテンポ遅いのだ。
もちろん、彼はわざとやっているわけではない。
しかし、頻繁に消しゴムを落としたり、ノートをとるのが極端に遅かったり、とにかく何かしら一人で慌てていた。
一事が万事そんな感じなので当然、授業に集中できていない。成績も悪い。
数学などは下から数えたほうが早かった。
これが個別指導の塾であれば接し方も違ってくるのかもしれないが、ここは集団授業である。
一人のためにちょくちょく授業進度が遅れてしまうとちょっとイライラしてしまう。
しかし、相手はまだ子供だ。
ここはぐっとこらえなければいけない。
ただ、私以外の講師も彼のことが気になっていたようで、接し方を他の講師とも話し合ってみた。
しかし、効果的な策は見当たらず、根気よく接するしかないという結論になった。
そんな彼だが、面白いことに英語は上位成績者として貼り出されていた。
これは本当に不思議で仕方なかった。おそらく、彼は語学に才能があるのだろう。
人間、向き不向きがあるものだ。
私が仕事を転々としてきたのも、向き不向きが影響しているのだろうか。
やっとありつけた夕飯
合宿も三日目になると、私の体も合宿のスケジュールに慣れてきたようで、体力的にも落ち着いてきた。
そしてこの日はなんと、夕食の時間を1時間も確保することができた!
合宿に入ってから落ち着いてご飯を食べることができなかっただけにとてもうれしかった。
しかしそう思っていたのは私だけではなかったようだ。他の講師も驚くくらいがっついていたのを見てそれを悟った。
さて、何を食べようか。
私はまず、普段の無職生活ではあまり食べることのできない肉料理を中心に攻めることにした。
もちろん、おかわりは当たり前。ビュッフェ形式で食べ放題なので、お腹がはちきれるくらい食べてやった!
食費を気にせず食べられることほどありがたいものはない。
この食事のおかげで気力体力とも充電することができた
また、この三日間でよく分かったことは、その日の終わりにどんなに疲れていても、とりあえず入浴してから少し寝れば、体力はそこそこ回復するということだ。
あとは、差し入れとして控室に置いてある栄養ドリンクを飲めば充電完了。
入浴→栄養ドリンクを繰り返しておけば1週間程度は無理がききそうだった。
こうして三日目が終わり、明日は早くも合宿最終日だ。
生徒もきっと非論困憊だろう。
体調不良者が出ないことを祈りながら床に就いた。
合宿最終日。長いようで短かった合宿が終わった。