40代中年男と中3女子の個人授業【転職回顧録-フリーター編23/36】

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ここまでのおさらいと今回のお話

志望度の高い会社へ面接に行った(ブラック臭が強めな企業の面接【転職回顧録-フリーター編22/36】を参照)。

しかし、それは会社に行くまでの話。実際にそのビル内に入ってみると、反社会的勢力の人たちが好みそうな黒と金の色を基調とした内装。

さらには、玄関前の駐車場には高級車が数台ほど駐車してある。普通の感覚なら、こうした状況を見て違和感を感じるところだ。それだけでなく、実際の面接の場で強烈なブラック臭を本能的に感じとった。

私は、今後の選考を辞退するかどうか迷い始めていた。とはいっても、ほとんど辞退する方向に傾いていたのだが。

そんななか、塾のアルバイトでは、こんな中年の私が、あろうことか中3の女子生徒を担当することになった。

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ブラック臭の漂う面接を終えて

その翌日、塾での仕事が終わってから塾長に昨日の面接の一件を相談してみた。

建物が全体的に黒色と金色だったこと、面接官の態度が横柄だったことなどなど…

すると、「やめておいた方がいね」と即答だった。

やはりそうか!私の判断は正しかった。

まあ建物の内装は別にしても、全体的な雰囲気や面接官の態度から、その会社がどういうところかの予想はつく。

しかし、せっかく面接を受けたのだからという気持ちもあり、自分の直感にどこか自信がもてなかったが、この塾長の一言で決心がついた。

私は、自分の判断を誰かに後押ししてほしかったのだろう。
なにしろ求職者は常に不安なのだ。

後日、二次面接の連絡が来たが、丁重にお断りすることにした。

内定を焦るあまり、変な会社に入ってしまったのでは元も子もない。それに私のことだ。どうせすぐに辞めてしまうだろう。

気分を入れ替えて、また翌日から塾講師としての毎日を送ることになった。

女子生徒の個人授業

この頃から、授業を新たに依頼されることが多くなった。それも集団授業ではなく、個人授業だ。

この塾は基本的に集団授業を行っているが、保護者の要望ああれば、こうした個人授業も実施している。

こういったフレキシブルな対応ができるのも小規模塾ならではのメリットだろう。

私が新たに担当したのは中3の女の子。

こうしたご時世の中、本当に指導するのが男性でよいのか戸惑ったが、おそらく結婚している中年ということで親御さんも安心したのだと思う。そしてそのとおり、ムフフな展開は全くない。

さて、その子は、数学に大きな悩みを抱えていた。

彼女は不真面目というわけではないが、教科書の説明を読むことが面倒になり、基本を理解しないままここまで来てしまったようだ。

実際に標準レベルの問題を解かせてみたところ、ほとんどダメだった。

ただ、受験までの時間は限られている。この日から数学の猛特訓が始まった。それに間に合わせるようにするため、過去問を中心とした解説を行うことにした。

なかでも、数学嫌いの子が特に躓きやすい分野である関数と方程式を重点的に説明した。

今、この生徒が数学に悩んでいるのは、ここの理解があやふやなままだったからだ。

ここでの理解が不足してしまうと、その後に続く平面図形や空間図形も解くことができない。

そこで私は鬼になって、通常の3倍の量の宿題を課した。

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鬼の受験勉強

今思うと、かなりの詰め込み授業をしたと思う。

しかし彼女は、それにも負けず頑張っていた。
どうせならその意気込みを最初から見せていればよかったのだが・・・

その甲斐もあってか、過去問も5年分はマスターし、予想問題も7割程度はなんとか得点することができ、予定していたレベルの学力に到達することができた。

あとは、本番でこの力を発揮できれば・・・。

そして、入試本番を迎えた。

なんとか彼女の緊張をほぐしたい私は、その校舎の校門付近で彼女の到着を待ち、激励することにした(念のために断っておくと、女子生徒だからえこひいきしたというわけではない…)。

このことは本人には内緒だったため、当日入試会場で私を見た彼女は驚いていたが、これで気合が入ったようだ。

入試を終えた後、彼女はすぐに塾にやってきて、手応えは五分五分だと不安そうな表情を浮かべていた。

私もまるで父親のように、祈るような気持ちで数日間、合否の結果を待つことになった。

果たして、結果はいかに…?

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◆ 転職回顧録-フリーター編24/36へ続く

合格を目指して受験勉強を頑張った彼女は、無事合格することができたのか?

彼女の落胆と私の面接【転職回顧録-フリーター編24/36】
予想していたとおり、私の他にも面接を受ける人は多く、ざっと10名くらいはいたように思う。年齢は比較的若く20代後半~30代前半といったところだ。若さでは彼らに敵わないため、経験職種をいかに活かすかという戦法をとることにした。つまり、即戦力アピールだ。正直言うと、即戦力になれるかどうかなどは皆目見当がつかない。ここはハッタリをかますしかないのだ。
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