ここまでのおさらいと今回のお話
結局、渋谷の企業(40代無職がベンチャー企業の面接を受けた結果…【転職回顧録-フリーター編32/36】を参照)から面接の結果連絡が来ることはなかった。
ただ、もともと質のいい会社ではない感じがしていたので、こうなることは想定内だった。評判通りの会社だったということなので、まったく喪失感はない。
そんなとき、父から上京してくるという連絡が入る。今の状況は実家に報告しているので、そんな私を心配してのことだろう。
そこで私と父が話した内容とは…
ハローワークで見つけた求人
あの企業が所詮はその程度のものだということは実際に訪問して分かっていたし、転職を繰り返してきた私にとって、こんなことは慣れっこだ。
もともと期待していなかったので、すぐに次の求人を探すことにした。
そこで、久々にハローワークに顔を出してみた。
昼間の時間帯だったためか、利用者はまばらだった。
受付で手続きを済ませ、さっそく求人検索を開始した。
検索結果に出てくるのは、いつも見る求人ばかり。それでも根気よくしらみつぶしに探していく。
すると、最近に登録された求人のなかに、私の職務経験に少しだけ被るものが見つかった。
普段ならいったん求人票を印刷して持ち帰り、念入りに企業情報を調べるのだが、この企業に関してはその必要はなかった。
そこはかつて仕事での付き合いがあった企業だったからだ。
勢い込んで職員の元に求人票を持っていき、応募状況を教えてもらうと80人ということだった。
やはり人気求人だった。
実際に電話して聞いてもらうと、「大っぴらには言えないが、30代後半から40代後半の人なら社風に合うかもしれないと言ってましたよ」と教えてくれた。
これはまさにお宝求人だ。
応募しない手はない。
さっそく二日間かけて、履歴書と職務経歴書を練りに練った。
そうして出来上がったものをいつもどおり妻に見てもらい、分かりやすい内容に仕上げた。
そして、これも慣例となったハローワーク職員によるチェックも受けた。
こういう時は書類選考に受かるケースが多い。
祈るような気持ちで郵便局で郵送してきた。
あとは結果を待つだけだ。果報は寝て待てというし。
父からの電話
そうしてる間、実家から一本の電話がかかってきた。
どうやら用事のために父親が上京してくるという。
私は長らく帰省していなかったこともあり、会うことにした。
父親と会ったのは、書類選考の結果を待つ間だった。
照れくささもあり、お互いそれほど多くを話すことはなかったが、私のことを随分と心配していることはよく分かった。
話の中で、今の経済状況が非常に苦しいことを伝えた。
アルバイトもしているが、それだけでは足りず、貯金を切り崩して生活していることも打ち明けた。
すると父は、経済的な支援を行うと言ってくれた。
実は遅かれ早かれ、援助をお願いすることになるとは思っていた。
しかし、40代のいい歳した大人が親に金の無心をすることが恥ずかしく、なかなかその話を切り出せなかったが、やっと言うことができた。
父は返さなくていいと言ってくれたが、人生の軌道修正ができたら必ず返すことを心に誓った。
もしかして、父はこのことを話すためにわざわざ上京してきたのではないか。
情けなくて涙が出そうになった。
そんな私に応募した企業から一本の連絡があった。
応募した企業からの私に問い合わせの連絡があった。それにより、私はとんでもないミスを犯していたことに気付いてしまった…